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「生きてたら歴史は変わった?」初代ガンダムで惜しくも戦死した「超有能な逸材」3選

戦争が舞台の『機動戦士ガンダム』では、有名、無名を問わずに途中退場するキャラクターは珍しくありません。そこで今回は、最後まで生存していたら「歴史が変わったのでは?」と思うような有能な人材を振り返ります。

途中退場が惜しまれる逸材たち

ガンダムにはさまざまな名将、猛将が登場する。Blu-ray『機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI 誕生 赤い彗星』(バンダイビジュアル)
ガンダムにはさまざまな名将、猛将が登場する。Blu-ray『機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI 誕生 赤い彗星』(バンダイビジュアル)

 TVアニメ『機動戦士ガンダム』は、モビルスーツと呼ばれる兵器が登場するロボットアニメ。主人公陣営である地球連邦軍とジオン公国軍の間で行われた戦争を舞台に描かれた作品で、その中で繰り広げられる人間ドラマも魅力のひとつです。

 どちらの軍にも個性的で魅力あふれるキャラクターが多数存在しますが、戦争モノだけに途中退場するケースは珍しくありません。そこで今回は「生きていたら大きな影響を及ぼしたのでは?」と感じた、死んだのが惜しい有能キャラたちを振り返ります。

●固定観念にとらわれない柔軟な思考の持ち主

 ホワイトベースの初代艦長であるパオロ・カシアスは、出番は少ないながらも有能さを感じた人物です。「V作戦」の要となる秘匿機体の受領という重責を任されていた点からも、上層部から期待された優秀な提督だったことが伺えます。

 そのパオロはジオンの攻撃を受けた際に、艦長でありながら自ら銃座に座って迎撃。強い使命感と、男気にあふれた行動を見せます。しかし、被弾した際に破片を体に受けて負傷。後にそのケガが悪化し、命を落とすことになります。

 いかにも老練な提督といった風貌のパオロ艦長ですが、柔軟な思考の持ち主でした。民間人の少年アムロがガンダムに乗り込んだことについても頭ごなしに否定せず、「初陣にはやや若すぎるが、古来15、6歳の出陣がなかった訳ではない」と発言。古い固定観念にとらわれないところを見せます。

 また、頭の固いルナツーのワッケイン司令に対しては、ガンダムなどの極秘兵器を操縦経験のある民間人アムロたちに任せるよう助言。最終的にパオロ艦長は「わしが責任を持つ」とまで言い切り、ワッケインを説得します。このパオロ艦長の判断が功を奏し、シャアの部隊を撃退。見事ルナツーを救うことに成功しました。

 ホワイトベースにいたのがパオロ艦長でなければ、19歳の新兵であるブライト・ノアがいきなり艦長を任されることもなかっただろうし、民間人のアムロがガンダムに乗り続けることもなかったかもしれません。もしパオロ艦長が終戦まで健在だったら、どんな結末が待っていたのかも気になるところです。

●ギレンが期待をかけた逸材

 ジオン公国のシャリア・ブル大尉も優秀な人材です。「木星帰りの男」と言えば『機動戦士Zガンダム』のパプテマス・シロッコの印象がありますが、このシャリア・ブルも木星からエネルギーを採取する木星船団を率いた人物でした。

 木星から戻ったシャリアに、ギレン総帥が自ら謁見する場面があり、いかに目をかけられていたかがわかります。しかも、シャリアはフラナガン機関によってニュータイプの素養まで見出され、ニュータイプ専用機のパイロットとしても期待されます。

 隊を率いるリーダー、そしてパイロットとしても優秀だったシャリア・ブル。しかも、ニュータイプにしては珍しく精神面が安定した逸材で、シャアやララァとのやりとりを見ても紳士的で温厚な人物に見えました。

 そんなシャリアですが、ギレンとキシリアの間で板挟みになったのは気の毒なところ。そしてアムロのガンダムをオーバーヒートさせるほどの高い技量を見せながら、惜しくも戦死してしまいます。もし彼が生きていたら、シャアの未来にも何かしらの影響を与えたかもしれません。

●目的遂行のために手段を選ばなかった知将

 最後に紹介するのは、ジオン軍の地球侵攻作戦でオデッサの基地司令を担ったマ・クベ大佐。劇中では、突撃機動軍総司令官キシリア・ザビとともにモビルアーマーのアッザムに乗り込んでガンダムと戦うシーンもあり、ザビ家の長女に重用されていました。

 彼の重要な任務は、地球で得た貴重な鉱物資源を宇宙に送ること。劇中、ボーキサイトの生産性の低下にイラつくシーンが描かれ、戦争継続のためには資源が何より重要なことを理解していました。そしてマ・クベは任務を全うするためなら手段を選ばない男で、南極条約で禁止されている水爆ミサイルまで用いて連邦に抵抗します。

 結局、オデッサの戦いでは連邦に敗れますが、マ・クベはザンジバルで地球を脱出。その艦内でマ・クベは、これまで鉱物資源を送り続けたことを自画自賛し、「ジオンは後10年は戦える」と満足そうに語ったセリフは有名です。

 そんなマ・クベの印象と言えば、「ちょっと非道なことも平気でやる」「ギャンのパイロット」「骨董品好きのおじさん」などが挙がりそうですが、実は基地司令としてやることをやった有能な仕事人です。

 TV版では、ギャンでガンダムに挑んで戦死しましたが、もし生き残っていたら敬愛するキシリアに随伴し、彼女に対するシャアの攻撃を阻止することができたかもしれませんね。

* * *

 戦争を描いたガンダム作品では、陣営を問わずに惜しまれつつ亡くなった人物がいるのが特徴です。皆さんにとって、途中退場が惜しいと思った有能キャラと言えば、誰を思い浮かべますか。

(大那イブキ)

【画像】まさかの戦死シーンに呆然……有能キャラの最期の搭乗機を見る(3枚)

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