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コロコロ派? ボンボン派? 二大子供向けマンガ誌「どっち派」論争

いまだに人気の「コロコロコミック」ですが、かつては「コミックボンボン」というマンガ誌も人気を博していました。しかも当時の子供たちの間では、どっち派かで意見が分かれ論争が勃発することも。人気だった2誌が、それぞれどんな特徴を持っていたのか振り返ります。

「コロコロ」派VS「ボンボン」派、それぞれの言い分は?

コロコロコミック 2023年5月号表紙(小学館)
コロコロコミック 2023年5月号表紙(小学館)

 創刊から40年以上経った今もなお、「コロコロコミック」は子供たちから愛読されています。『ドラえもん』などの人気作品が連載され、子供向けマンガ誌として不動の人気を誇っています。一方、「コロコロコミック」と双璧をなした「コミックボンボン」も、少年の心を掴んでいた存在として思い出されるでしょう。

「コロコロ」は1977年に誕生し、その後1981年に「ボンボン」が創刊され、両誌は長い間子供たちの心をつかむべく熾烈な争いを繰り広げました。「コロコロ」の特徴を一言で表すと「王道路線のマンガ誌」だったといえます。

 国民的人気作である『ドラえもん』のほか、ゲームが流行し出すと『ゲームセンターあらし』や16連射でおなじみの「高橋名人」が子供たちの人気を集めました。また当時流行したミニ四駆などを扱う作品を連載するなど、子供心を大きく刺激するコンテンツに溢れていたことも人気の原動力だったといえるでしょう。

 一方の「ボンボン」に連載されていたマンガは、ファミコンを使って謎の組織と激戦を繰り広げる『ファミコン風雲児』や、実際の商品と掛け合わせて新しい料理を作るグルメマンガ『OH!MYコンブ』などが人気を集めました。「コロコロ」と比べると、若干マニアックな作品が多かったものの『ガンダム』ブーム到来を受け、ガンプラ関連の作品は熱狂的なファンから多くの支持を集め、「コロコロ」とは違った路線で人気を博したのです。

「コロコロ」派の人からは『つるピカハゲ丸』『おぼっちゃまくん』など、今では「クレーム対象」になりそうな下ネタをふんだんに取り入れたギャグマンガも人気でした。スポーツ系マンガでも、『プロゴルファー猿』や実在のプロ野球選手をモデルにした『かっとばせ!キヨハラくん』など話題作を多く生み出しました。

 また、80年代に大流行した「ビックリマンチョコ」の記事やマンガも掲載され、「コロコロ」は当時のトレンドを掴むために必須のマンガ誌だったのかもしれません。SNSでも「80年代はコロコロ命だった」「何度読んでもそれに応えてくれる情報量の多さが好きだった」などの声が寄せられていました。

「ボンボン」派の人は「ガンダムシリーズ」「SDガンダムシリーズ」などのガンダム作品が好きだった人が多い傾向にあります。プラモデルブームも相まって、同誌も力を入れていたのでしょう。

 また『天才バカボン』『やっぱ!アホーガンよ』などのギャグマンガが印象に残っている人も少なくないようです。SNSでは「ガンダムが好きだったからボンボン派だった」「コミックボンボンは、マンガも好きだったけどそれと同じくらいカラーページも大好きだった」などの声が寄せられています。

 少数派の意見として「毎月同時に買える金持ちはおらず、ボンボン派とコロコロ派に分かれて仁義なき戦いをしてました」と当時を懐かしがるコメントも多いようです。人気が拮抗していたことで、競争心がより煽られたのかもしれません。

 いずれにせよ、読んでいて楽しいと思えるマンガ雑誌を作ろうと切磋琢磨していた両誌は、当時の子供たちにとってはかけがえのない存在だったと言えるでしょう。

(LUIS FIELD)

【画像】懐かしい! 「コロコロ」「ボンボン」の名作マンガを振り返る(5枚)

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