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実写版にも登場? 『聖闘士星矢』アニオリの「鋼鉄聖闘士」とは 黒歴史からの「復活」

2023年4月28日に、人気マンガ『聖闘士星矢』のハリウッド版実写映画『聖闘士星矢 The Beginning』が公開されました。映画を見たファンの間で、「鋼鉄聖闘士が出ている?」と話題になっています。原作マンガには登場しない鋼鉄聖闘士が、TVアニメ版ではどのように描かれていたのか紹介します。

ハリウッド映画で「鋼鉄聖闘士が登場?」の声

映画『聖闘士星矢 The Beginning』ポスタービジュアル (C)2023 TOEI ANIMATION CO., Ltd. All Rights Reserved
映画『聖闘士星矢 The Beginning』ポスタービジュアル (C)2023 TOEI ANIMATION CO., Ltd. All Rights Reserved

 人気マンガ『聖闘士星矢』は、黄金・白銀・青銅の「聖衣」を纏った「聖闘士」たちの戦いが大きな見どころです。同作の人気は国境を越え、2023年4月28日にはハリウッド実写映画『聖闘士星矢 The Beginning』が公開されました。

 そして、『聖闘士星矢 The Beginning』を鑑賞したファンの間で、「鋼鉄聖闘士(スチールセイント)が出てる?」と、話題になっています。作中や公式の情報では、映画版の敵は原作マンガでも登場した「暗黒聖闘士」と呼ばれているのですが、設定がむしろ「鋼鉄聖闘士に近い」と言われているようです。

 ちなみに、映画の公式Twitterの「暗黒聖闘士」の説明を引用すると「赤子のアテナを守って果てた黄金聖闘士の聖衣を利用して、グラード(原作の城戸光政に当たるキャラの元妻という設定の悪役)が開発。超古代技術を利用した強固な暗黒聖衣を装着した暗黒聖闘士たちは、その超人的な力で星矢とアテナの生まれかわりであるシエナに襲いかかる」とのことでした。

 今回話題になった鋼鉄聖闘士は原作マンガには登場せず、『聖闘士星矢』の公式サイト内にある「聖闘士博物館」にも掲載されていません。彼らは、アニメ『聖闘士星矢』第25話「戦え!アテナのもとで」のラストで初登場する、アニメオリジナルの聖闘士です。

 鋼鉄聖闘士はグラード財団の財力の後ろ盾のもと麻森博士によって開発された、「鋼鉄聖衣(スチールクロス)」を纏って闘います。鋼鉄聖衣は星矢たちのような「小宇宙(コスモ)」を用いなくても、同等の闘いができるよう戦闘力の増強を目的に開発されました。たしかに、実写版の暗黒聖闘士の設定と被る部分はあります。アニメ版では鋼鉄聖衣のスカイクロスを翔、ランドクロスを大地、マリンクロスを潮が装着して闘いました。

 TVアニメ第26話「敵か味方か! スチールセイント」では、主人公の星矢たちが「白銀聖闘士(シルバーセイント)」のバベルに苦戦するなか、3人組の鋼鉄聖闘士が突然現われコンビネーション技の「スチール・ハリケーン」でバベルの技を封殺しました。さらにTVアニメ第27話「星矢が石に! メドゥサの盾」、第28話「ドラゴン! 捨て身の一撃」でも鋼鉄聖闘士の活躍が描かれています。

 鋼鉄聖闘士がアニメに登場した当時は、フィギュアが発売され、アニメ前半が終わったときのアイキャッチで星矢たちよりも前に出ているなど目立っていましたが、TVアニメ第41話「聖域大決戦! アテナ最大の危機」を最後に鋼鉄聖闘士は登場しなくなりました。

 1985年12月に原作の連載が始まり、1986年10月にアニメ放送開始という、かなり早い段階でのアニメ化だったため、原作に追いつかないように鋼鉄聖闘士ほかアニオリ展開を挟んだそうですが、原作ファンからは不評だったようです。当時は鋼鉄聖闘士の突然の退場に、「更迭聖闘士」と皮肉る声もありました。

 TVアニメ『聖闘士星矢』では「黒歴史」扱いまでされた鋼鉄聖闘士は、2012年4月に放送開始されたTVアニメ『聖闘士星矢Ω』の「新生聖衣(ニュークロス)編」から再登場します。鋼鉄聖衣は、研究が重ねられ量産化されたほか、12歳の昴というメインキャラの鋼鉄聖闘士が登場。さらに前述の鋼鉄聖闘士の3人は、第74話「貴鬼の闘い!世代を越えた仲間!」にて、年を重ねて大人になった姿を見せています。

 長い時を経て『聖闘士星矢Ω』に登場した初代鋼鉄聖闘士には、当時ファンの間で賛否の声があったようです。「昔は好きじゃなかったけど、久しぶりに見て懐かしすぎてアガった」「復活に感動した」という声もある一方で、「何がしたかったのか謎」「性懲りもなくでてきた」と、まだまだ否定的な意見も寄せられていました。

 とはいえ「鋼鉄聖闘士」のことを覚えている人は多く、『Ω』での復活から10年後の実写版でも話題になっています。ちなみに、実写映画『聖闘士星矢 The Beginning』は、公式パンフレットでも「暗黒聖闘士」の解説の部分に「本作の暗黒聖闘士と似た設定の存在」として「鋼鉄聖闘士」の説明を載せているため、おそらく意識して設定を取り入れているのでしょう。「原作だけでなくアニメオリジナルのキャラの要素まで取り入れているのは、制作陣の愛を感じる」「ちゃんと懐かしの要素も取り入れつつ、オリジナルに換骨奪胎している」と、好評の意見も出ていました。

 ちなみに、実写版独自の「暗黒聖衣」を着て星矢を追い詰める悪役として、原作では最初に星矢に負けた懐かしのキャラ・カシオス(演:ニック・スタール)が登場しており、「原作より敵キャラとして出世してる」「ハリウッド版のカシオスがだいぶ痩せてシュッとしてる」と、こちらも話題になっています。

(LUIS FIELD)

【画像】どんな格好か覚えてる? 懐かしの鋼鉄聖闘士を見る(4枚)

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