【漫画】「切ない」「泣いた」 死んだ姉にそっくりな人形との「最後の1週間」とは
不慮の事故に遭い、突然この世を去った姉。現実を受け止められない弟のもとに届いたのは、姉を再現したロボット。弟は「姉」と1週間一緒に過ごすことになり……。漫画家・HEROさんのマンガが「切ない」とTwitterで反響を集めています。
淡々と過ごすなかで弟が見つめ直す、姉への思い
不慮の事故に遭い、突然この世を去った姉。現実を受け止められない弟のもとに大きな荷物が届きました。箱を開けると、なんと姉の姿をした人形が。それは姉が生まれたときに母が注文したロボットで、遺族の心の整理をつけるために期間限定で故人を再現するというもの。弟は「姉」と1週間一緒に過ごすことになり……。
『ホリミヤ』で知られる漫画家・HEROさん(@dka_hero)による創作マンガ『うつつの影とレプリカ』がTwitterで公開されました。ロボットの「姉」と生前の姉が交錯するなかで、弟の思いが静かに伝わってくる、温かい読後感の物語。
読者からは「すごく切ない」「泣いた」「心がキュッとなる」「空気感が良い」「お姉ちゃんが好きだったんだね」「もういないことを再認識させる、とても残酷で優しいシステム」などの声があがりました。Twitter投稿には1.1万リツイート、5.5万いいねの反響が集まっています。
作者のHEROさんに、お話を聞きました。
ーーHEROさんの漫画家としてのデビューのきっかけを教えて下さい。
個人サイトで『堀さんと宮村くん』というWebマンガを描いていたところ、「スクウェア・エニックス」より出版のご提案をいただきました。
ーー『うつつの影とレプリカ』のお話はどのように生まれたのでしょうか?
自分の親族が当時亡くなったことがきっかけです。(『うつつの影とレプリカ』は2017年に描いた作品で、今回Twitterに投稿したマンガはそれを最近描き直したものです)生々しく悲しい話にはあまりしたくなかったので、ロボットという人間ではない存在を登場させようと思いました。
ーー淡々とした会話と回想を通して、姉を失った悲しみが静かに感じられて心に響きました。物語を描くうえで工夫なさったこと、心がけたことなどはありますか?
ありがとうございます。姉を失った現実に戸惑う弟を主人公にすることは決まっていました。ただ、ご指摘いただいた通り静けさを大事にしたかったので、分かりやすい感情の起伏はなるべく避けようと思いました。
「姉の姿をしたもの」を通して、自分が姉に対し何を思っていたのか、自分は何を失ったのかを弟が再確認する物語になっていればいいなと。
ーーたくさんの感想が寄せられています。特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。
前述の通り、過去作を自分で描き直したものなので、「この話知ってる」「好きだった」と反応をいただけたことがうれしかったです。
ーー連載されていた『あことバンビ』の単行本6巻が2023年6月20日に発売されました。お話のあらすじや見どころなどをご紹介いただけますか?
事故物件に越してきた若い小説家・バンビと、その部屋に現れる女子高生幽霊・アコの話です。お互い簡単には歩み寄れないなかで少しずつ変化していく、どこか浮世離れしたふたりの世界を楽しんでいただければと思います。ホラーではないので、怖い話が苦手な方もぜひ読んで下さい!
ーー今後の創作活動について教えて下さい。
原作を担当している『ホリミヤ』(スクウェア・エニックス)は、TVアニメ2期が2023年7月1日より放送開始します。また、久しぶりの新刊『ホリミヤ 17巻 A piece of memories』が2023年7月18日に発売予定です。『あことバンビ』(朝日新聞出版)の刊行もまだ続きますので、どちらも最後まで見届けていただけると幸いです。
ネットでも変わらず自分のペースで何かしら作品を発表し続けていけたらいいなと思っております。よろしくお願いします!
(マグミクス編集部)