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シリーズ史上最弱説も? 『帰ってきたウルトラマン』ジャックは本当に弱いの?

1971年に放送された『帰ってきたウルトラマン』に登場するウルトラマンジャックについて調べてみると、「弱い」という評判が目につきます。地球の平和を守るウルトラマンが弱いといわれているのは、どのような理由があるのでしょうか。『帰ってきたウルトラマン』の敗北回について振り返ります。

最弱扱いされているのは怪獣が強すぎたからでは?

「帰ってきたウルトラマン MUSIC COLLECTION」のパッケージ(日本コロムビア)
「帰ってきたウルトラマン MUSIC COLLECTION」のパッケージ(日本コロムビア)

 1971年に放送された『帰ってきたウルトラマン』に登場するウルトラマンは、放映当時は正式名称がなく、後にウルトラマンジャック(以下、ジャック)と呼ばれるようになりました。そんなジャックですが、ファンから「弱い」との声が多くあがっています。そこでこの記事では『帰ってきたウルトラマン』でジャックが敗北した回を取り上げ、本当に弱かったのか振り返ります。

 最初に注目する話は、第4話「必殺!流星キック」です。ジャックはこの話で、第1原子力発電所付近に出現した怪獣・キングザウルス3世と戦います。ジャックはスペシウム光線やウルトラスラッシュなどの必殺技を放ちますが、キングザウルス3世の発生させたバリアによって無効化されました。そしてキングザウルス3世の角で身体を刺され、ジャックは敗北してしまいます。

 放送が始まって間もない4話目で必殺技が破られ、当時番組を見ていた子供たちはショックを受けたことでしょう。その後、ちゃんとキングザウルス3世を倒したとはいえ、ジャックに対して弱いという印象があっても仕方ないのかもしれません。

 他にも第37話「ウルトラマン 夕陽に死す」で、ジャックは敗北を喫しています。宇宙電波研究所を隠れ蓑にしていたナックル星人は再生した怪獣たちを使って、ジャックの戦力や能力を分析していました。

 さらにナックル星人はジャックの心の拠りどころである坂田一家を襲い、ジャックの冷静さを失わせることに成功します。そして、能力を丸裸にされて冷静さを欠いたジャックは、ナックル星人とブラックキングの2体の敵に一方的に攻撃されて敗北してしまうのでした。

 過去のウルトラシリーズのなかでも、ここまで執拗にウルトラマンを追い詰めた敵はいないのではないでしょうか。こんな不利な状況では、他のウルトラマンでも太刀打ちできなかったのではと思わずにはいられません。

 最後に紹介する第40話「まぼろしの雪女」でのジャックはスノーゴンの冷凍ガスによって凍らされてしまい、さらに馬乗りになったスノーゴンによってバラバラにされてしまいます。この回に関しては、SNS上では「スノーゴンにジャックがバラバラにされて酷すぎる」「鈍い破壊音とジャックの無惨な姿は眼と耳にこびりついてしまった」などの声が今でもあがっており、トラウマ回としても有名な話です。

 ただウルトラ一族は総じて寒さに弱いため、ジャックが特別に弱いから負けたという理由にはならないでしょう。弱点をつく怪獣に遭遇したという点では、不運だったといえるかもしれません。

 ちなみに『帰ってきたウルトラマン』のテーマのひとつが、主人公・郷秀樹の成長する過程です。彼の成長を描くために、敗北してそこから立ち上がるという演出が必要だったとも捉えられます。決してジャックが弱いのではなく、困難を乗り越える強い心を持ったウルトラマンだったといえるでしょう。全体的に敵が強すぎる、もしくは運が悪い場面が多かったですが、逆境を突破する姿は勇気を与えてくれました。

(LUIS FIELD)

【画像】見た目も怖ッ!ウルトラマンジャックを倒した衝撃的強さ&執念の敵怪獣たち(5枚)

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