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『Zガンダム』なぜクワトロ機じゃない「リック・ディアス」も赤く塗り替えられたの?

『機動戦士Zガンダム』にて、エゥーゴのモビルスーツとして登場する「リック・ディアス」は当初、クワトロ(シャア)専用機だけが赤い塗装だったのですが、後にほぼ全機が赤い塗装となります。なぜ赤く塗り替えたのでしょうか。

軍用機を塗り替えるなら理由はあるはず

パーソナルカラーなら仕方ない。BANDAI SPIRITS「HG 1/144 リック・ディアス(クワトロ・バジーナ機)」 (C)創通・サンライズ
パーソナルカラーなら仕方ない。BANDAI SPIRITS「HG 1/144 リック・ディアス(クワトロ・バジーナ機)」 (C)創通・サンライズ

「リック・ディアス」とは、アニメ『機動戦士Zガンダム』に登場するモビルスーツ(MS)です。主人公側陣営である「エゥーゴ」が開発したMSで、新素材「ガンダリウムγ(ガンマ)」を装甲に使用していることから、当初「γガンダム」と命名される予定でした。なおその外見は、「ガンダム」には似ていません。現在では『機動戦士ガンダム0083』に登場した「ガンダム試作2号機」の流れを組んでいるからこその「γガンダム」で、連邦系とジオン系の技術がミックスされた設計、ということになっています。

 その「γガンダム」は、エゥーゴ幹部の「クワトロ・バジーナ(シャア・アズナブル)」が「別のコードネームにしたい」という意向を示したことで「リック・ディアス」となりました。

「リック・ディアス」は、開発当初のエゥーゴが正規軍ではなく、ゲリラ的な戦術を考えていたため、目立ちにくい黒を基調とするカラーリングとなりました。赤をパーソナルカラーとするクワトロの専用機だけが、赤い塗装をしていたのです。

 しかし、中盤よりクワトロが乗らない機体まで赤い塗装に変更されます。劇場版『機動戦士ZガンダムII ―恋人たち―』では、一部に黒い機体も見られますが、大半が赤い機体となっていました。

 軍用機の色を採用後に変更する事例は、たとえば旧日本海軍に存在します。戦闘機、艦上攻撃機、艦上爆撃機、水上偵察機などがグレー塗装だったところ、途中から濃緑色に変更しました。戦局が不利になることにともない、上空から発見されにくい色としたわけです。

 ただ「リック・ティアス」の場合は黒から赤ですから、むしろ目立つ色への塗装変更です。ほぼ同じ時期に敵対組織「ティターンズ」から奪取した「ガンダムMk-II」も濃紺から白に塗装変更しており、これも目立つ色への塗装変更といえます。

 軍用機で「発見されやすくする」メリットはありませんので、目立ちやすくすることには、きっと理由があるのでしょう。ちなみに「クワトロの活躍が評判となったので、他のパイロットがあやかった」「偽装の意味合いがある」という設定があります。これはどういうことなのでしょうか。

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