「任天堂」採用ページの「人材に対する考え方」が反響 Googleとも共通する最重要事項とは
必要なのは対面のコミュニケーション。だからこそ名作が生まれる。
そして、もうひとつ重要なのがコミュニケーションを特に重視しているところです。
「任天堂の人材に対する考え方」では、「顔を合わせて密度の高いコミュニケーションをとることが効果的と考えています」と表記されています。今やリモートワークも当たり前になりつつありますが、それでも実際に会うことを重視しているのです。
実は、リモートワークを避ける企業は少なくありません。Googleは完全リモートワークを原則禁止にしていますし、HONDAも原則出社を決めていたりと、大手企業ではかなりありうる話なのです。
リモートで話し合うことも可能ではありますが、顔を合わせてコミュニケーションをすることに比べると情報量が大きく減少します。相手の身振り手振り、細かな表情の変化、会話のテンポなど、パソコン越しでは失われるものが大きいのです。
何より、任天堂が濃密なコミュニケーションによってどういうものを生み出しているのかを考えれば、対面で話し合うことの重要性がわかります。
任天堂は、アメリカで開催された「GDC 2024」(Game Developers Conference)にて、ヒット作をどのように作り上げたかの講演を行いました。その情報によると、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』においてもコミュニケーションが重要だというのです。
ファミ通.comが2024年3月21 日に配信したレポート記事によると、荷馬車のような複雑なものを設計する際にコミュニケーションが重要だったとされています。車輪のサイズ・位置を物理的な挙動から決まり、それに合わせてアーティストが見た目を作り上げていったとのこと。
同じく、『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』においてもコミュニケーションが重視されています。本作にはさまざまな驚く仕掛け「ワンダー」が用意されているのですが、それもチーム全員でアイデアを出し合ったそうです。
それこそベテランのサウンドディレクター近藤浩治さんも、入社1年目のプログラマーもアイデアを出し、それが実際に採用されるわけです。なお、過去には「メイドインワリオ」シリーズでも同様のブレインストーミングをしており、多くのアイデアを生み出していました。
ひとりで可能なことは限られていますが、うまく協力すれば大きな力を発揮できる。極めて当たり前の話ではあるものの、世界で通用する独創的な商品やサービスを作るためにはそれを最大限活かす必要があるのでしょう。
(すすだま)