『マクロス』に連なる、不遇の打ち切り作『超時空騎団サザンクロス』 封印作品となった理由
2024年4月15日、『超時空騎団サザンクロス』が放送開始から40周年を迎えます。『超時空要塞マクロス』、『超時空世紀オーガス』に続く「超時空シリーズ」の第3弾として登場しましたが、人気を得られず、全39話の予定が23話で打ち切られました。海外ではTVアニメシリーズ「ロボテック」の一部として高い人気を獲得した作品です。
人気を博した『マクロス』に連なる「超時空シリーズ」第3弾
2024年4月15日で、TVアニメ『超時空騎団サザンクロス』が放送開始から40周年を迎えます。『超時空要塞マクロス』、『超時空世紀オーガス』に続く「超時空シリーズ」の第3弾として登場しました。しかし、人気を得ることができずに、全39話の予定が23話で打ち切られてしまいました。しかし、海外ではTVアニメシリーズ「ロボテック」の一部として高い人気を獲得した作品です。
『サザンクロス』は放送当時、あまり人気が出ず、後述の事情で再放送もほとんど行われなかったため、『マクロス』と比較すると知名度が低い作品です。しかし、注目すべき点や見どころは数多く、現代へとつながる価値観を持っている重要なタイトルでもあるのです。
『サザンクロス』の世界では、地球が戦争などにより汚染されて住めなくなり、人類は地球を棄てて新天地を目指し、いくつかの植民地を開拓するに至っています。物語の舞台となるのがそのひとつである「惑星グロリエ」で、主人公はグロリエを守る開拓惑星軍「サザンクロス軍」の戦略機甲師団の分隊長「ジャンヌ・フランセーズ」少尉という、女性の正規軍人です。
現代では珍しくない設定ですが、当時としてはロボットアニメの主人公を女性が務めるのは『ゴワッパ―5 ゴーダム』などごくわずかな例しかなく、ましてや軍人となればおそらくは最初の事例と思われます。なお、声優を務めた富沢美智恵さんにとっては、ジャンヌが初の主役なのも見逃せないポイントです。
さて、『サザンクロス』の物語は突如として謎の宇宙人「ゾル」の大規模船団が現れ、グロリアの明け渡しを要求されたことから始まります。周囲の星からの支援を期待できない状況下、正体不明の敵を迎え撃つため、ジャンヌをはじめとする多くの若者たちは死闘へと身を投じることになります。
このゾル人は、同じ姿をした者が常に3人1組で行動するなど、多くの謎があります。ですが、ゾル人の秘密が明かされる部分は打ち切りのために放送されておらず、今も謎のままなのが残念なところです。なお、ゾル人の「ムジカ・ノヴァ(ムジエ、ムゼル)」の声優は日高のり子さんで、これがデビュー作となります。