読んでないのにコマごと知ってる? 人気マンガの「汎用性高すぎ」な名言4選
ネガティブをポジティブに変換する魔法のセリフ
「月刊PANJA」や「SPA!」などで連載された作品『孤独のグルメ』(原作:久住昌之、作画:谷口ジロー)の主人公、井之頭五郎が発したセリフ「こういうのでいいんだよこういうので」も、汎用性の高い言葉です。
このセリフは第12話にて、五郎がとある洋食店に入店しハンバーグランチを出された際に登場しました。洋食屋の昔ながらのメニューに感心した五郎でしたが、そこで店員が店主にこっぴどく叱られていたため、五郎が気分を害して食事がのどを通らない事態になる……というエピソードです。
グルメ以外の事柄にも使えるセリフで、ネット上では自分の趣味趣向に合っていたり、シンプルが一番良いと感じたりしたときに、写真とともに投稿されるパターンが多く見受けられました。
ちなみに、松重豊さん主演の実写ドラマシリーズでは、高頻度で「こういうのでいいんだよこういうので」と決めゼリフのように登場しています。
「いい」という言葉つながりでは、原哲夫先生の人気マンガ『花の慶次ー雲のかなたにー』(原作:隆慶一郎)にて、主人公の前田慶次が言った「だがそれがいい」というセリフも有名です。このセリフは作中で、慶次が前田家の家臣の村井若水に関して言った言葉でした。
作中、若水は慶次の叔父の前田利家に、豊臣秀吉から拝領した「織田信長公の甲冑」の目付け役を頼まれます。しかし、かつては武人としてならした若水は信長への憧れの気持ちもあり、つい甲冑を着て破損させてしまい、その責任として利家に切腹を命じられるのでした。
そして、切腹当日に現れたのが慶次です。慶次は甲冑を真っ二つに斬り、若水を見て戦で顔が傷だらけであることに言及します。そして慶次は、「だがそれがいい」「その傷がいい!!これこそ生涯をかけ殿を守り通した忠義の甲冑ではござらんか!!」と言うのです。前田家の家臣たちはこの言葉にいたく感動し、利家も若水を許さざるを得なくなりました。
このセリフは真面目な場面でも「○○なのが逆に良い」という意味で言いやすいですが、ついだらしない行動をとってしまった際にも使われています。例えば「深夜にラーメン食べちゃった。だがそれがいい」「今日10時間も寝た。だがそれがいい」など、多様な使われ方をしてきました。
マンガが元になっている有名なセリフは他にも多々あります。元ネタを調べて使用することで、より深みが増すかもしれません。
※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記
(LUIS FIELD)