鳥肌立つほど興奮した「特殊エンディング」 ズルい選曲に「神演出」「最高のコラボ」の声
TVアニメの重要回ではごくまれに、いつものエンディングとは異なる演出、いわゆる「特殊エンディング」が流れることがあります。その回のためだけに用意されたエンディングというだけでもアニメファンにとってはうれしいサプライズですが、なかにはズルい選曲によって多くの視聴者をより興奮させたケースもありました。
突如流れたドラマ版のエンディング主題歌が「エモッ!」
多くのアニメファンにとって、その回のためだけに用意された「特殊エンディング」はうれしいサプライズです。なかでも思い入れ深い楽曲が流れたときは、ファンの感動もひとしおでしょう。
●アニメ『池袋ウエストゲートパーク』でドラマ版の主題歌が?
石田衣良先生の小説を原作とした『池袋ウエストゲートパーク』は、池袋の西口公園、通称「池袋ウエストゲートパーク」を舞台に、主人公の「真島誠(マコト)」がさまざまな事件やトラブルを解決していく物語です。これまでドラマや舞台など数々のメディアミックスを果たしてきており、なかでも2000年に放送された長瀬智也さん主演の実写ドラマは社会現象になるほどの人気ぶりでした。
対して2020年に放送されたTVアニメ版は、主人公のマコト役に声優の熊谷健太郎さんを迎え、キャラクターや舞台の設定が現代風にアレンジされています。ブラック企業やYouTuberなども登場し、ドラマ版とはまた違ったイマドキ風のアニメとしてリメイクされました。
この作品において、特殊エンディングが流れたのは第7話「Gボーイズ冬戦争・後編」でのことです。普段は4人組ロックバンド「INNOSENT in FORMAL」による「after song」がエンディングテーマとして流れるところを、このときだけは物語が終わった瞬間、背景がブラックバックに変わり、ドラマ版の主題歌である清春さんの「忘却の空(25th Anniversary Ver.)」が流れました。
ドラマファンを喜ばせる粋なエンディングに、当時のネット上は大盛り上がりとなり、視聴者からは「鳥肌立った」「かつてのドラマファンにはうれしい演出」「エンディングでいきなり『忘却の空』はズルい」といった声が相次ぎました。
●10年越しの約束が果たされたアニメ『シャーマンキング』
往年のファンを喜ばせたという意味では、2021年に放送された『シャーマンキング』も負けてはいません。同作では、2001年放送のアニメ第1作で描かれなかった原作屈指のエピソード「恐山ル・ヴォワール編」が初めて映像化され、その締めくくりとなる第33話では、伝説の楽曲「恐山ル・ヴォワール」がエンディング曲に起用されました。
「恐山ル・ヴォワール編」は、主人公の「麻倉葉」とヒロインである「恐山アンナ」の初めての出会いを描いた過去編です。そして上述した楽曲「恐山ル・ヴォワール」は、作中の詩にファンのひとりが曲をつけたのが始まりでした。しかもその楽曲を2010年に「ニコニコ動画」へ投稿したところ、「作品の物悲しい雰囲気を見事に表現している」とファンの間でたちまち話題となり、やがてその評判は原作者である武井宏之先生の元にも届きます。
先生自身もこの楽曲を気に入ったようで、武井先生のスタジオスタッフによる半公認X(旧:Twitter)を通して「もし何かの機会に恐山ル・ヴォワールが映像化されたときには、ぜひエンディングに」と述べていました。
さらに先生直々のお願いで、アンナ役を務めていた林原めぐみさんの「歌ってみた」動画まで制作され、アニメ版で流れたエンディングでも林原さんが歌唱しています。およそ10年越しの約束が果たされたうえ、林原さんが歌う「恐山ル・ヴォワール」とあって、往年のファンにとってはこのうえない喜びだったことでしょう。