幻のEDは何だった? 『千と千尋の神隠し』千尋と別れた後、ハクは八つ裂きにされたらしい
ハクが生まれ変わった「幻のエンディング」
さらに「一部映画館では、映画公開初日に幻のエンディングが流された」という説もありました。その幻のエンディングとは、「千尋が引っ越し先で小川を見つけ、その川がハクの生まれ変わりであることに気付く」というものです。
この説が生まれた理由もいくつかあり、
・巨大掲示板「2ちゃんねる」に書き込みがあり、同じエンディングを覚えている人が多くいる
・ハクが千尋と別れる際、「元の世界に私も戻るよ」と言っている
・その後、「またどこかで会える?」と問う千尋に「うん、きっと」とダメ押ししている
ということが根拠となっているようです。実際に、幻のエンディングは途中まで絵コンテが作られていたのだとか。ただ、当時はまだフィルムを使って映画が上映されていたため、差し替えは金銭面から考えても難しいかもしれません。
また、千尋の母の「引っ越しのトラック、もう着いちゃってるわよ」というセリフは、通常版の別のシーンでも描かれています。さらに通常版のラストシーンでも、ハクは「水がない、私はこの先には行けない」と言っているのです。
「ハクと千尋をもう一度会わせたい」という視聴者の願いが、この説を生み出したのかもしれません。また、うわさがうわさを呼ぶ形で「ハクが八つ裂きにされた結果、千尋の引っ越し先の川に生まれ変わった」と、ふたつの説がお互いの主張を強め合っているともいえるでしょう。
余韻を残したラストは、視聴者にその後の展開を委ねてくれます。「またどこかで会える?」「うん、きっと」というやりとりから、ふたりは「(難しそうだけど)また会いたい」と思っていたのでしょう。
さまざまな説がささやかれている「ハクのその後」、あなたはどんな展開を想像しましたか?
(新美友那)