もう地上波の基準分かんねーな… 「ここまで映すの?」な過激マンガ原作の実写ドラマ
マンガ原作の実写ドラマのなかには、原作の過激なラブシーンをそのままに再現し、地上波で放送した作品が存在します。それはいったいどういった作品なのでしょうか。
放送ギリギリ? ラブシーン満載のマンガ原作ドラマ
マンガ原作の実写化ドラマは、これまで数多く放送されてきました。なかには、地上波でありながら過激な描写が多く含まれる作品も存在します。令和になってからも、意外と深夜枠では過激な作品が放送されてきました。
●『liar』
『lair』はもぁらす先生の同題小説を原作とし、袴田十莉先生のコミカライズ版も人気の作品で、2022年にドラマ化されました。
商社で働くOL「成田美紗緒(なりた みさお/演:見上愛)」は、同じ会社で働く主人公「市川一哉(いちかわ かずや/演:佐藤大樹)」に恋心を抱きますが、彼には恋人がいることが発覚します。ただ、美紗緒は思いを捨てきれず、一哉と身体的な関係に進んでしまうのです。
男性目線と女性目線が交互に描かれており、それぞれの登場人物の思惑がからみ合う点も見どころでした。また、1話冒頭から濃厚なキスシーンやベッドシーンなども描かれ、過激な描写が話題となりました。ネット上では「深夜枠とはいえ濃厚過ぎて衝撃」「ラブシーンにプラスして恋愛の駆け引きがすごくリアルだった」といった声があがっており、攻めた内容に驚いた人も多かったようです。
また、佐藤さんはクランインの2か月前からの食事制限や筋トレを行うなど体づくりを徹底し、佐藤さんは見惚れるほどの肉体美を作中でも披露しています。
●『クズの本懐』
「月刊ビッグガンガン」(スクウェア・エニックス)にて連載されていた横槍メンゴ先生のマンガ『クズの本懐』は、2017年にドラマ化されています。高校生の特殊な恋愛関係を描いた本作は、原作同様の激しい描写が多く盛り込まれ話題となりました。
物語は「安楽岡花火(やすらおか はなび/演:吉本美憂)」と「粟屋麦(あわや むぎ/演:桜田通)」が、それぞれ片思い相手への未練を埋め合わせるため、偽りの恋人関係を結ぶところからはじまります。
第1話から屋上でのふたりの濃厚なキスシーンが描かれ、さらには体育館倉庫での行為に至る生々しいシーンまでも再現されており、地上波での放送が心配されるほど過激な表現で描かれていました。また、花火と麦の恋の行方や、複雑な恋愛模様が丁寧に描かれているのも本作の見どころのひとつです。
ネット上では、「これを地上波で放送できたの逆にすごい」「登場人物のクズさが原作同様再現されていて、かなり攻めた内容だった」「逢沢りなさん(『皆川茜』役)の演技が衝撃でした」といった声があがっており、地上波ギリギリのシーンが続く展開に困惑する視聴者も多かったようです。
●『アカイリンゴ』
マンガ『アカイリンゴ』(作:ムラタコウジ)は、2020年から2024年まで「コミックDAYS」(講談社)で連載され、2023年に深夜ドラマとして実写化されました。
性行為が法律で禁じられた近未来の日本を舞台に、主人公「犬田光(いぬた ひかる/演:小宮璃央)」が、性交が行われる会員制クラブで憧れの人気女優「宇宙美空(うちゅう みそら/演:新條由芽)」と出会い、さまざまな事件に巻き込まれていくサスペンス作品です。
本作では、ほぼ毎話性行為の場面が盛り込まれており、初回からSMプレイまで描くなど、非常に過激なシーンが展開されました。視聴者からは「本当に放送大丈夫だったのかよ」「原作の攻めた姿勢を落とさずに再現できたのは製作陣の努力の賜物」と驚きの声があがっています。
原作者のムラタコウジさんも、ドラマ化発表時「『アカイリンゴ』は作者自身が映像化はあり得ないと思いながら描いてた作品なので、ドラマ化の一報を聞いた時は冷静に理解できるまでに4日かかりました。テレビで「性行為」という言葉はまだタブーにはなってないんだっけ…?と思うくらい世界は凄いスピードで価値観が変わっていっております。まだこの作品を実写化できる時代であったことに感謝し、放送を楽しみにしております!」とコメントするなど、かなり驚いている様子でした。
撮影現場では露出や身体的接触を伴うシーンの撮影に際し、俳優と監督の間で調整を行う専門家「インティマシー・コーディネーター」の西山ももこさんが参加していたことも、当時話題になりました。これにより、俳優たちも安心して過激なシーンに挑むことができたようです。
(LUIS FIELD)