「グフ」まで赤くしやがった! 『ガンダム』のアニメでは観られない「シャア専用機」
「シャア専用」とつくものはアニメの枠を越え、現実世界でもクルマやマッサージチェアなど多岐に観られます。ここでは原点に立ち返り、一年戦争時のシャア専用MSで、アニメに観られないものを見ていきましょう。
「だいたい赤」でOK
おなじみ「シャア・アズナブル」が乗ったモビルスーツ(MS)というと、何を思い浮かべるでしょうか。「シャア専用ザクII」をはじめ、人によって実にさまざまな機体名が挙がることでしょう。
アニメで映像化されたものに限らずマンガやゲームも含めると、「えっ、あんなのにも?」と口をついて出そうなものまで、シャアは実にさまざまなMSへ搭乗してきました。そうしたなかで、アニメにこそ登場してはいないものの比較的、知名度の高い「一年戦争」における「シャア専用MS」を見ていきましょう。
●シャア専用リック・ドム
シャアが乗ったアニメ未登場MSのなかでもっともよく知られている一年戦争期の機体は、もしかすると、富野由悠季監督による小説版に登場した「シャア専用リック・ドム」かもしれません。小説版で、シャアが最後に搭乗していたMSになります。
この小説版は1979年に朝日ソノラマから発刊されたもので、2024年現在、角川スニーカー文庫に引き継がれています。劇場版が公開されるなど、アニメ『機動戦士ガンダム』が大ブームとなったころに広く読まれたこともあり、したがって「シャア専用リック・ドム」の存在も、比較的知る人は多いというわけです。
ガンプラも発売されており、もちろんシャアのパーソナルカラーである赤に染めあげられています。主装備である強力な「ビーム・バズーカ」は、その後ゲームなどに登場したこともあって広く知られるものとなりました。
●キャスバル専用ガンダム
本名のキャスバルのほうで呼称される専用機は、なんと「アムロ」と同じ「RX-78 ガンダム」、その名も「RX-78/C.A. キャスバル専用ガンダム」です。アムロのそれが「白い悪魔」とあだ名される白基調にトリコロールカラーであるのに対し、キャスバル専用は実に赤い機体でした。
初出は、1998年4月にセガサターン用ソフトとして発売されたゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』で、「一年戦争」の際にシャアが自分の素性を明かし、キャスバルとして活動すると乗ることになるMSです。
●シャア専用グフ
実は「グフ」にも搭乗しています。それはTVアニメ放送時期に刊行された児童向け絵本「主題歌のソノシート付き絵本 機動戦士ガンダム」の第2集(構成:星山博之/作画:内海勇夫/朝日ソノラマ)に描かれました。
そこには、シャアのパーソナルカラーである赤で塗られたグフが見られます。グフは基本、青いMSですから、これについてはもう「シャア専用グフ」と呼称してよさそうです。
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このほか、専用カラーで塗装された「YMS-15(MS-15S) ギャン」、ネタ枠の「RB-79A12 シャア専用ボール」が、ゲーム「ギレンの野望」シリーズに見られます。月刊マンガ誌「冒険王」(秋田書店)でコミカライズとして掲載されていたマンガ版では、ジャブローへの潜入時、シャアは「アッガイ」に搭乗していたそうです。
(マグミクス編集部)