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『ワンピ』の裏に『肉』が来る…!? アニメ『ONE PIECE』深夜枠移動に期待と不安

今後のTVアニメ『ワンピース』で予想されることとは

おなじみ「ウタ」もアニオリキャラ。画像は「ウタの歌 ONE PIECE FILM RED」通常版ジャケット (C)尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会
おなじみ「ウタ」もアニオリキャラ。画像は「ウタの歌 ONE PIECE FILM RED」通常版ジャケット (C)尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会

 TVアニメ『ONE PIECE』の放送時間変更については、ほかにも予想されることがあります。今後の制作方針のようなものです。

 これまで『ONE PIECE』は週刊連載と並行しTVアニメが制作されてきました。アニメの30分は原作マンガの3話分前後に相当し、そのため、原作に追いつくという問題は常について回ります。

 それゆえ原作ではなかったアニメオリジナルの展開、通称「アニオリ」が入ることは当たり前でした。数カットの時もあれば、1話丸ごとアニオリの話だったこともあります。そして、アニオリは昔からファンの評価を真っぷたつにすることもありました。

 これまでのTVアニメ『ONE PIECE』の歴史を振り返るとわかりますが、最初のころは大きなエピソードが終わった後、アニオリの短編シリーズが入るというパターンが多く見られました。それがいつしか少なくなって、「ワンピース時代劇」や「チョッパーマン」といった番外編が入るようになります。

 近年になってからは劇場版と連動したアニオリがありました。これは劇場版のサイドエピソード的なもので、前後のストーリーとはまったく接点のない形です。最近ではキャラクターが解説する総集編や、本編終了後のおまけコーナーで尺を稼ぐといった方法で原作との距離を一定に保っていました。

 現在、『ONE PIECE』は「SPECIAL EDITED VERSION」として「魚人島編」を再編集したものを半年予定で放送しています。そして、時間帯移動後は「エッグヘッド編」の続きから始まる予定です。

 実はこの編成から、TVアニメ『ONE PIECE』の今後を想像するファンが少なくありません。それは分割クール制の導入です。つまり、これからは原作マンガにアニオリを加えるのではなく、忠実に再現しようという方向になるだろう、というわけです。

 おそらく「エッグヘッド編」終了までTVアニメ化した後、一時的に制作を休眠状態にして、原作との距離を一定に保つという方法になるでしょう。その間、まったく別の作品をやるのではなく今回の「魚人島編」のように過去シリーズの編集版を放送するのではないでしょうか。

 これにはいくつかの利点があります。最大の利点は原作との距離を一定に保てることです。もうひとつは長期シリーズとなったがゆえ、過去のシリーズを忘れた人向けの救済策になることでしょうか。実は筆者の周りにも現在の「魚人島編」を観て、話がつながった、思い出した、といった意見がありました。

『ONE PIECE』は何年もかかっている伏線が多数あり、長期作品になったことで話がわからないという「ワンピース難民」が一定数いると聞いたことがあります。その救済と思えば、過去シリーズの総集編はもってこいといえるかもしれません。

 また、総集編を挟むという方法には一定の鮮度を保つという意味合いもあるでしょう。通常の分割クール制では放送期間のない時期にファンが離れることがあり、これを避けるためには何かを発信し続ける必要がありました。

 近年、分割クール制の人気作品のコラボが目立つのは、まさにこれが理由です。それがコラボ商品でなく一定期間のTV放送だと考えると、その効果はコラボの比ではないかもしれません。

 これはあくまでも筆者の想像です。しかし、これまで聞いた話から推測すると可能性は低くはありません。週刊連載中の作品を随時TVアニメ化して四半世紀以上経つ『ONE PIECE』は、今後もTVアニメの常識を刷新する作品になるのでしょうか。4月からの放送が待ち遠しいです。

(加々美利治)

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