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衝撃ラストとなったバッドエンドマンガ 「絶望感エグイ」「続きがあるとはいえ」

マンガの結末はおおまかにハッピーエンドとバッドエンドのふた通りに分かれ、後者であれば読後にモヤモヤを感じることもあるでしょう。なかには、少しの救いもないような悲惨なラストが描かれ、多くの読者に強いインパクトを残した作品もあります。

読むためには覚悟が必要?

最終話が掲載された『彼岸島 最後の47日間』第16巻(講談社)
最終話が掲載された『彼岸島 最後の47日間』第16巻(講談社)

 マンガの結末はハッピーエンドがあればバッドエンドもあり、なかにはあまりにも報われないラストが描かれた作品もありました。

※この記事は『おやすみプンプン』『なるたる』『彼岸島 最後の47日間』のネタバレに触れています。

 浅野いにお先生の『おやすみプンプン』は、後味の悪いマンガとして有名です。本作は小学5年生の主人公「プンプン」や、その家族の描き方が特殊で、終始「ヒヨコの落描きのような見た目」になっています。物語の序盤では転校してきた「田中愛子」にプンプンがひと目惚れし、お互いに家庭環境が不遇だったこともあり、次第に心を許し合う関係になります。

 終盤では大学生になったプンプンが愛子と再会し、彼女がいまだに母親から暴力を受けていることを知り、逃避行を計画します。しかし、計画が愛子の母親にバレて、ふたりは母親を殺害し、遺体を山に埋めたのち愛子だけが自ら命を絶ちます。プンプンも後を追いますが、失敗に終わるのでした。

 そして、最後はプンプンと同級生で教師になった「晴見俊太郎」の目線に変わります。担任のクラスで、転校してきた女生徒に視線を送る少年を見た晴見は、彼らを当時のプンプンと愛子の姿に重ね物語は完結します。鬱展開の末の報われないラストに、「覚悟がないと心のダメージが半端ない」「完全なバッドエンドではなく、それでもまだ人生は続くという感じもまたつらい」などの声が数多くあがっています。

 ほかにバッドエンドといえば、鬼頭莫宏先生の作品『なるたる』も見逃せません。同作は、主人公の少女「シイナ」が「ホシ丸」という特殊な能力を持つ「竜の子」と出会い、竜の子の力で世界をリセットさせようとする者たちとの戦いに巻き込まれていく物語です。

 最終話でのシイナは、周りの人間から魔女と迫害されており、友達や家族などが殺される悲惨な状況となりました。そして、竜の子「シェオル」を持つ少女「涅見子」の力により、地球人を全滅させます。

 生き残ったふたりは妊娠しており、ラストのコマでは、ふたりの子供であろう少年と少女が海辺にいる姿が描かれて物語の幕を閉じるのでした。『なるたる』のラストは「悲しい最後だけど、難解な部分も多いから読めば読むほど読後感の印象が変わる」などの声があがっていました。

 また、シリーズ全体のラストではないものの、絶望的な終わりを迎えたのが、『彼岸島 最後の47日間』(作:松本光司)です。不死身の吸血鬼「雅」に支配された孤島が舞台のサバイバルホラー『彼岸島』の続編で、最終的に主人公が徹底的に敗北してしまいます。

「彼岸島」シリーズの主人公「宮本明」は数々の吸血鬼や「邪鬼」を倒しながら、親玉である雅の討伐を目指していました。『最後の47日間』では「日本全土にウイルスを保持した蚊を撒き散らす」という計画を知り、明たちは吸血鬼軍と人類滅亡をかけた戦いを繰り広げます。

 しかし、終盤で人間軍は彼岸島での戦いに敗れ、明は雅との戦いで右手を失ってしまいました。そして、最終話では明も登場せず、渋谷で吸血鬼ウイルスを媒介する蚊がいっせいに放たれて日本中に吸血鬼ウイルスがまん延していくさまが描かれ、ラストは「こうして人類最後の47日間は終わりを告げた」という言葉で幕を閉じるのです。

 その後に本土が舞台の『彼岸島 48日後…』の連載が始まり、現在も「週刊ヤングマガジン」(講談社)で物語が続いています。1作目『彼岸島』の初期メンバーは明以外いなくなってしまった状況のなか、今度こそ雅を倒せるのでしょうか。

(LUIS FIELD)

【画像】え…っ?「ピッタリすぎる」「今やったらもっと怖そう」 コチラが15年前にイケメン俳優が再現した実写『彼岸島』の雅です

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