マンガで得た変な知識　「嘘だと分かってても試しちゃう」「無駄どころかトラブルが」　

マンガ、アニメで得た知識でトラブル勃発！？

『美少女戦士セーラームーン』で、「惑星の名称」を覚えた人は多いと思いますが、学校のテストの解答では漢字表記が求められ「冥王星」「海王星」になると、『セーラームーン』知識もあやふやで誤答もありました。

『セーラームーン』の惑星知識は本当のことなのでまだいいですが、酷いものでは、その知識が正しいかどうか確かめる以前の問題で、実際にやろうとしてトラブルが起きたこともありました。あくまで個人的な体験談として、マンガ、アニメで得た知識による苦い思い出を振り返ります。

●『DEATH NOTE』のシャーペンの芯トラップで生き恥を晒す

　まだ実家に住んでいる頃、部屋の収納に隠していた珠玉の薄い本の並び方に違和感を覚えました。普段は、作者別に並べてあるのに、一部バラバラに収められていたのです。

「弟が勝手に部屋に侵入し、見ているな」と確信した私は、証拠を得るためマンガ『DEATH NOTE』で得た知識を仕掛けることにしました。その仕掛けというのは、私の部屋のドアの蝶番にシャーペンの芯を仕込み、折れていたら部屋のドアを開けられた、というトラップです。

　翌日、さっそく芯が折れているのを発見し、弟を問い詰めましたが、白状しません。結果的にドアを勝手に開けていた犯人は愛猫で、ドアのレバーハンドルを器用に押し侵入していたもので、本の並びもよく考えると、私自身の不手際だったことが発覚します。

　単に、弟に薄い本の趣味があることをセルフ暴露しただけの騒動となってしまいました。

●『ドカベン』入浴法で祖父から折檻

　床屋の待ち合いスペースに置いてあるマンガランキング1位といっても過言ではないのが、『ドカベン』です。これで得た知識が、『ドカベン』入浴法でした。作中の「山田太郎」曰く、風呂に入る際は、まず足にお湯を何回かかけて、体を水温に馴染ませてから湯船につかるのが、心臓に負担をかけないというのです。

　これはいいと、自宅でも実践してみると、一緒に入っていた祖父が、「お湯を無駄遣いするな！」と理由も聞かず怒り、私の背中を力いっぱい平手打ちしました。背中にジンジン痛みを感じながら湯船につかり、「山田のやろう～……」と、理不尽にドカベンを恨んだものです。

●『パーマン』パートナーと手を合わせれば速度200 kmで飛べる「パータッチ」の悲劇

　また、嘘だと分かっていてもつい試してしまうのもマンガ知識です。藤子・F・不二雄先生の名作の主人公「パーマン」は単独では時速119kmで飛びますが、仲間と手をつなぐと倍のスピードになる能力があります。

　子供というものは、いったん試してみないと自分でもできるのではないかと思い込むもので、倍の速度で走れるのではないかと、友達とチャレンジしてみることにしました。

　友達の手をしっかりとつかみ、校庭を駆けます。が、全然、速くない、いやむしろ遅い……。なんとなく分かってはいましたが、残念な結果でした。

　しかし、友達はこのファクトに納得ができなかったようで、つかんだ私の手を放さずスピードをあげます。これに足の回転がついていけず転倒、さらに友達も引っ張られるように転ぶと、お互い足がずるむけになるケガをしてしまいました。

　速度は速くならないという結果はうすうす分かってはいたものの、ケガまでは見通せませんでした。

　ほかにも、『ルパン三世 ルパンVS複製人間』で、「ルパン」が斬鉄剣の破片でレーザーを反射させ「マモー」を焼き殺したことを思い出し、なんとなく学校の先生にクリーンケットの鏡で太陽光を照射したところ胸倉をつかまれたり、『るろうに剣心』の「二重の極み」をいたずらに壁に向かって実践したところ拳を痛めたり、マンガやアニメで得た知識を実践するとろくなことが起きないことを身をもって知ったのです。