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『ドラクエ5』ビアンカって本当に幼なじみか? 「実は一回しか会った事ない」説を検証

『ドラクエV』のビアンカは日本を代表する「幼なじみ」キャラですが、最近それに異議を唱える声が見受けられます。

ビアンカは果たして幼なじみと言えるのか? ふたりが過ごした時間を確認

画像は「ドラゴンクエストV 天空の花嫁 BRING ARTS ビアンカ」(スクウェア・エニックス) (C)1992, 2014 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
画像は「ドラゴンクエストV 天空の花嫁 BRING ARTS ビアンカ」(スクウェア・エニックス) (C)1992, 2014 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

 令和の世になってもなお論争が尽きないのが、『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』の結婚相手問題です。すでに発売から30年以上が経過してもなお、幼なじみの「ビアンカ」とお淑やかなお嬢様「フローラ」という古式ゆかしいヒロインの2択に、「どちらが良いのか」という論争が交わされています。

 なお2008年に発売されたニンテンドーDS版では、新たにフローラの姉にあたる「デボラ」という、口が悪く格好もド派手な個性派ヒロインが追加され、いよいよ論争は三つ巴に……となるようにも思えましたが、なかなかどうしてデボラがビアンカ&フローラの牙城を脅かすことはありませんでした。いずれにせよ、「ビアンカvsフローラ」論争は現在もなお折に触れて盛り上がる、『ドラクエ』ファン同士の良質な「火種」です。

 侃侃諤諤(かんかんがくがく)の議論が繰り返された歴史のなかで、ここ近年において(昔から指摘こそされていましたが)、とある「大前提」が突き崩されようとしています。

 すなわち「ビアンカはそもそも『幼なじみ』なのか」という点です。

 いったい、何を言っているのか、と思う人も多いでしょう。筆者もそのひとりです。何せ、この「幼なじみ」属性こそ、ビアンカをビアンカたらしめる重要な要素ではありませんか。だからこそ、突然現れた「お淑やかなお嬢様」属性を持つフローラとの対比が成立しているのです。まったく、このビアンカ=非幼なじみ説は、何を根拠にしているのでしょうか。

 実際、ビアンカと主人公は幼少期、大冒険をともにした仲ではありませんか。「アルパカ村」で子供らにいじめられている「ベビーパンサー」を助ける条件として、雷鳴とどろく恐怖の「レヌール城」を攻略し、そこに住み着く悪霊をふたりで倒してきたのです。その後、アルパカに戻り、また一緒に冒険する約束もしました。

 と、ここまで書いていて、どこか気付かされる点があります。プレイしたときの「大冒険感」とは裏腹に、ビアンカと過ごした期間は、ほんの少しではなかったでしょうか。下手すれば、数日かそれよりも短いか、という時間です。そしてこれこそ、「ビアンカ=非幼なじみ説」の根拠にほかなりません。

 残念ながら「幼なじみというには一緒にいた時間が短い」という点は否定できませんし、それに加えてリメイク版では、「フローラ」も冒頭で幼い頃に主人公と出会っていたという演出が加えられています。そうなると、もうふたりの「顔見知り」具合は、ほぼ同等と言えるかもしれません。しかし、忘れてはならないのが、ビアンカが主人公に出会ったときの次のセリフです。

「あなたが 小さい頃 お父さんに連れられて よく わたしの家に 来てたのよ。」

 そうです。「幼なじみ」属性は最初から完成していたのです。プレイヤーの預かり知らぬところで、ビアンカとの信頼関係は築かれていたのでした。だからこそレヌール城の冒険にいたる過程が、スムーズに運んだわけなのです。

 それに「幼なじみ」かどうかは主人公、というかプレイヤー自身の主観で十分ではありませんか。とどのつまり、何が言いたいかというと、筆者は圧倒的な「ビアンカ派」であるということです。

(片野)

【画像】え…っ?再現度えぐ!こちらがスタイル抜群日本人コスプレイヤーによる「ビアンカ」です(4枚)

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