最終話が急展開すぎて「誰?」「何故?」 物議をかもしたマンガ
長年読み続けてきたマンガの最終話は、ファンにとって記憶に残る大切なしめくくりです。しかし、なかには最終話で急展開を迎え、物議をかもしたりファンを困惑させたりした作品もありました。
「誰?」とツッコミが止まらない
応援し続けてきたマンガの結末は、ファンとって重要なものです。しかし、なかには重要キャラが急変したり、まさかの人物が登場したりと、驚きの最終話を迎えた作品もありました。
※この記事は、マンガ『監獄学園』『極黒のブリュンヒルデ』『幕張』の最終話の内容を含みます。
最後に急展開を迎えたマンガといえば、平本アキラ先生の『監獄学園』は外せません。本作は主人公の「藤野清志」(以下、キヨシ)をはじめとする5人の男子学生が元女子校の八光学園に入学し、女子風呂をのぞいたことで学園内の懲罰棟へ入れられ、脱獄を試みるストーリーです。
物語の終盤でキヨシはクラスメイトの「栗原千代」と、晴れて両想いになります。しかし、ふたりの仲が認められない「緑川花」が暴走して、キヨシの変わった性癖を明かし、千代はトラウマを植え付けられてしまいました。
そして、男性を信用できなくなった千代は、学園の不純異性交遊を取り締まる「裏生徒会」の21代目会長となり、これまでの優しい笑みから一変、冷酷な表情を浮かべて幕を閉じます。
この闇落ちエンドには「最高にくだらなくて笑えたアホエロギャグだったのに、オチがつらい」と悲痛の声があがる一方、「キヨシは千代との関係に嘘を重ねてきたから、闇落ちエンドもあり」と納得する意見もあります。
また、2012年から2016年にかけて「週刊ヤングジャンプ」で連載された『極黒のブリュンヒルデ』(作:岡本倫)も、最終話で予想外の展開を迎えました。本作は主人公の「村上良太」が「黒羽寧子」をはじめとする研究所から脱走してきた超能力を持つ魔法使いの少女たちと出会い、逃亡生活を手助けするストーリーです。
終盤ではラスボスによって人類が滅亡する危機が訪れるも、良太の活躍によって人類は救われます。それと引き換えに、良太は「エッダ」と呼ばれる世界で生きることになり、良太へ思いを寄せる寧子は現実世界へ戻れないと理解しつつもエッダへ行き、感動の再会を遂げました。
しかし、突然そこへ最後の戦いで命を落とした魔法使い「カズミ」と思しき人物が、なぜか幼女の姿で「ちょっと待てやー!!」と登場します。良太はカズミだと思わず「誰だよお前…」と問いかけるも、「その胸の大きさ…」とバストサイズで正体に気付きかけたところで、物語は終わりを迎えました。
このいきなりの登場には困惑した読者もいた一方で、「もともとコメディ色が強い作品だから、これはこれでアリかなと思う」「カズミちゃん推しだから、救済されて良かった」と、安堵する読者もいたようです。
ほかにも、最終話で予想外の人物が登場したマンガといえば、1996年から1997年にかけて「週刊少年ジャンプ」で連載された『幕張』(作:木多康昭)が挙げられます。本作は「幕張南高校」へ入学して野球部に入部した「塩田鉄人」と「奈良重雄」が、野球をやらずにやりたい放題な学園生活を送るギャグマンガです。
中盤から終盤は、野球部の「叶親浩司」にトラブルメーカーの「鈴木智恵子」を妊娠させた疑惑が浮上しました。そして、責任を取るために塩田と奈良、叶親らは「世界最優秀高校生大会」へ参加して賞金を狙います。その後、塩田らが優勝を果たし賞金の取り分を決めようとしていたところで、本作は突如最終話を迎えました。
最終話では作者やアシスタントが登場し、本作の主人公は誰かと議論を始めます。そして、作者が日頃の不平不満をぶちまけ、最後に主役は「ガモウひろし(『とっても!ラッキーマン』の作者)」だったという、謎のオチをつけて幕を閉じました。
この終わり方は「ある意味伝説」と語り継がれ、「今のジャンプなら完全にアウトだけど、下ネタやパロディのネタでめちゃめちゃ笑った」「作者同士のやり取りとか編集者イジりとか、やりたい放題で好きだった」と、今なお本作を評価する声も絶えません。
(LUIS FIELD)