衝撃シーンを再現した実写化映画 「後で年齢制限跳ね上がった」「いきなりドアップ」
マンガの実写化において、作中の濃厚な過激シーンは「どう再現するんだ?」と、原作ファンにとっては気になるポイントのひとつでもあります。そのような懸念もありながら、「よくぞここまで」と驚く再現をした実写版に注目しました。
刺激強めで人とは観られない作品ばかり
![壇蜜さんプロフィール写真](https://magmix.jp/wp-content/uploads/2025/02/250207-rsitei-01-196x300.jpg)
人気マンガ、小説の実写化作品は、年々技術の進化や並々ならぬ出演者の役作りにより、成功作も増えてきています。そして、やはり実写化成功のカギを握るのは、原作の再現度でしょう。
刺激の強い性愛描写が見られる作品の実写化は、ファンであっても「大丈夫か?」と不安にならざるを得ないものですが、なかにはやりすぎなくらいに再現し、「R指定」となった映画もありました。
●『ダブルミンツ』
ボーイズラブマンガ『同級生』などで知られる人気作家、中村明日美子先生原作の同題作品を実写化した『ダブルミンツ』は、激しい男性ふたりの狂信的な愛憎を描いています。暴力的な描写も多く、実写化が発表された際は「ほんわか系の『同級生』が実写化ならまだしも……」「あれを実写化していいの?」と懸念する声が続出し、X(旧:Twitter)でトレンド入りする事態になりました。
本作では高校時代に出会った同じ名前のふたりの男「壱河光夫(演:淵上泰史)」と、「市川光央(演:田中俊介)」が数年後に再会して、ある事件をきっかけに共犯関係となり、次第に主従関係が変化していく過程を描いています。
映画は原作と比較すると濃厚な濡れ場は控えめでしたが、「支配者側の光央が学生時代に虐げていた光夫の彼女を寝取り、その光景を見せつける」という回想が加わることによって、ふたりの絶対的な上下関係が強調されていました。そしてヤクザの下働きをしている光央が薬を打たれ、複数の男性に襲われるなど「刺激の強い性愛描写」があり、映倫(映画倫理機構)からはR15+指定を受けています。
原作の耽美な世界観がどこまで再現できるのか、不安視する声もありましたが、「それぞれ何かが欠けたふたりが手を取り合う関係性をここまで描いてくれるとは」「どちらかというとBL要素よりクライムサスペンス要素が強めだったけど、これはこれであり」と高い評価を受けました。
●『ガキ☆ロック』
柳内大樹先生が2002年に「ヤングチャンピオン」で連載していた『ガキ☆ロック』は、2014年に映画版が公開されています。
浅草で生まれ育った主人公「志村原(演:上遠野太洸)」が、「ガキロック」というチームの仲間と一目惚れしたストリップダンサー「蝶々(演:佐津川愛美)」のために奔走する人情ドラマです。映画の人気を受け、2017年にはAmazon prime videoにてドラマ版も新たに制作されています。
源の実家がストリップ劇場という設定のため、作中では女性のヌード描写も少なくありません。R15+となった本作には、「ストリップの演出は驚いたけど、友情と人情を描いた熱い作品で観て良かった」といった好評のほか、「ちょっと裸が映るくらいならPG12の映画もあるのに、これでR指定なのか」と映倫の審査の厳しさに驚く反応も見られました。
●『私の奴隷になりなさい』
壇蜜さん出演で話題を呼んだ映画『私の奴隷になりなさい』(2012年)は、2005年にサタミシュウさんの小説『スモールワールド』(後に改題)が原作の作品です。2007年にはコミカライズされたほか、続くシリーズ2作品も実写化を果たしました。
物語は出版社に転職した「僕(演:真山明大)」が、先輩で既婚者のOL「香奈(演:壇蜜)」に一目惚れするところから幕を開けます。やがて香奈と関係を持った僕は、香奈が「先生(演:板尾創路)」と呼ばれる男性に調教される奴隷だと知りました。
原作が官能小説のため、劇場公開時は当然ながらR15+指定となりました。さらに、監督をはじめとした製作陣の強い要望により、泣く泣くカットしたシーンを追加した「ディレクターズカット版」が翌年公開されています。
ディレクターズカット版ではベッドシーンが追加されたほか、服を着たままの場面がヘアヌードに変更、SMシーンもノーカットになっているなどより刺激的な作品になり、レイティングはR18+へと引き上げられました。
「泣きじゃくりながら先生の前で「僕」と寝るシーンエグかった」「内容はハードなのに、淡々と香奈が変わっていく様子を描いてるから一気に引き込まれた」と内容の濃さに驚きながらも、体当たりで激しいラブシーンを演じた壇蜜さんを絶賛する声も出ています。
(田中泉)