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正直トラウマになった昭和ウルトラ怪獣たちの最期 「もはやリンチ」「目も当てられない」

昭和ウルトラシリーズの特徴として「怪獣の死に様」が、けっこうショッキングであるということがあげられます。なかでも、特に悲惨な最期を迎えた怪獣は誰でしょうか。

引き裂かれたり、リンチされたり、でも本当に辛かったのは

ウルトラセブンvsエレキングの結末は…。「S.H.Figuartsエレキング」(バンダイ) (C)円谷プロ
ウルトラセブンvsエレキングの結末は…。「S.H.Figuartsエレキング」(バンダイ) (C)円谷プロ

令和のいまもなお、新作ウルトラシリーズは子供たちに人気です。ウルトラ戦士のかっこよさも、怪獣たちのワクワクするビジュアルも、変わらず連綿と受け継がれてきました。

 ただし、昔と違う点もあります。たとえば、怪獣の死に様はその代表的な例です。ご存じの方も多いと思いますが、昭和ウルトラシリーズにおける怪獣の死に方は、かなりリアルです。腕がもげれば、血も出ますし、真っぷたつにされれば「中身」が出ます。この怪獣の破壊描写は昭和後期から平成にかけて、一気にマイルドになっていくのでした。

 やはり「怪獣の死」は幼心になかなかショッキングで、いまもなお鮮明に思い出せる人も多いのではないでしょうか。なかでも、特に子供らに強烈なインパクトを残した昭和ウルトラ怪獣の死に様を振り返ってみましょう。

 たとえば『ウルトラセブン』は、「アイスラッガー」というあからさまな凶器が頭頂部に備え付けです。この刃先にかかった怪獣、宇宙人は数多おり、なかでも第3話「湖のひみつ」に登場した「エレキング」の最期はなかなか強烈でした。

 あのアンテナのようなツノがくるくると回転していることから、なんとなくロボットのような雰囲気もただようエレキングでしたが、その最期は、アイスラッガーで首を切断されて絶命というもので、その際、切断面からドバっと真っ赤な鮮血があふれるのです。その後なぜか爆発するのですが、この生々しさのギャップがヒリヒリとしました。

 さて死に様演出において、『ウルトラマンA』は真打のような作品でした。ウルトラマンエースはその豊富な切断技のバリエーションから、「ギロチン王子」など不名誉な称号すら獲得するほどです。

 さてそんな『A』のなかでも、とりわけ死に方が痛々しかったのは、第8話「太陽の命!エースの命!」における「ムルチ(二代目)」の最期でしょう。同エピソードは、「メトロン星人Jr.」と「ドラゴリー」がエースを苦しめており、そこへムルチが参戦という流れです。

 乱闘のなか、ムルチはドラゴリーに激突して転倒し、怒ったドラゴリーは、ムルチのアゴをむずとつかむと、そのまま腹にかけて思い切り引き裂いてしまうのです。ご丁寧にも露出した筋組織からは血がほとばしるギミックつきで、もしかしたらこれ以上悲惨な最期を迎えた怪獣はいないかも知れません。ここでのポイントは、ムルチを裂いたのはドラゴリーであり、エースがやったわけではないということです。

 ただし、エースはその後、ドラゴリーの腹をパンチで突き破ると、「エースブレード」なる長刀で首をはね、加えて「メタリウム光線」で爆散させるという、華麗なるオーバーキルを決めるのでした。

 やや方向性は違いますが、タイの「チャイヨー・プロダクション」との合作映画『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』における怪獣たちの死に様も、なかなか辛いものがあります。終盤において、ウルトラ兄弟と「神猿ハヌマーン」が逃げ惑う「ゴモラ」へ殴る蹴るなどの暴行を加えたのち、真っぷたつに切断しました。「倒した」「やっつけた」ではなく、「死に至らしめた」という表現の方がしっくりくる描写です。

 ここまで昭和ウルトラシリーズにおける、今では考えられぬショッキングな怪獣の死に様を振り返ってきたものの、個人的に最も観ていて辛かった最期は、初代『ウルトラマン』第23話「故郷は地球」に登場した「ジャミラ」です。

 もとは人間ながら宇宙空間で忘れ去られ、異形の怪獣に変化したジャミラは、故郷である地球へ復讐しに戻ってきます。ジャミラは切断されるわけでも、爆散するわけでもありません。ただ「ウルトラ水流」をくらうと、苦しそうに身もだえし、やがて赤子そっくりのうめき声をあげながら、絶命するのでした。あの断末魔の声は、今でも耳にこびりついて離れません。

(片野)

【画像】え…っ? こんな色白なナイスバディに こちらが「美少女化」したエレキングさんです

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