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「そこ攻める?」「ただの本家やないか」 度を超えたパロディで伝説になったアニメ

アニメでは、ときに他作品のパロディが描かれることがあり、お遊びの域を超えて越えてしまうと、対応を余儀なくされることもあります。「よく放送できたな」と思うほどのパロディが描かれた作品を振り返りましょう。

面白いけど、やり過ぎには注意?

第347話が収録された「ケロロ軍曹7thシーズン 10」(バンダイビジュアル)
第347話が収録された「ケロロ軍曹7thシーズン 10」(バンダイビジュアル)

 ギャグアニメの他作品の「パロディ」「オマージュ」は大きな見どころとなりますが、度を越えた表現だと騒動になることもあります。いま振り返ると、地上波で放送できたことが不思議に思える内容もありました。

 たとえば赤塚不二夫さんのマンガ『おそ松くん』が原作のTVアニメ『おそ松さん』は、2015年から放送が始まった第1期でDVDとBlu-rayに未収録の話があります。

 本作は松野家でニートの6つ子がドタバタ展開を繰り広げるという作風で、第1期の第1話では、『うたの プリンスさまっ』や『ハイキュー!!』といったあらゆる作品のパロディが登場しました。なかでもインパクトを与えたのは、『進撃の巨人』の巨人を模した「巨大チビ太」で、放送後のネット上では「さすがにやりすぎ!」「でも爆笑した」と話題になっています。

 こういったパロディのせいか、第1話はDVDとBlu-ray化に伴って収録されていません。また、『アンパンマン』をパロディ化した第3話の「DEKAPANMAN」も、ふざけすぎたせいなのか、差し替えになっています。

 ほかにも、原作がすでに過激なパロディを何度もやっている『銀魂』(作:空知英秋)のアニメ版も、過去に著名人をいじったことで、一部のTV局で放送が中止されたり、作中に規制が入ったりしました。特に問題となったのは2011年10月に放送された第232話『忘れっぽい奴は忘れた頃にやってくる』で、「桂小太郎」のペットである地球外生物「エリザベス」の過去をたどるエピソードです。

 作中では、選挙に向けて活動する蓮舫さんを模した女性議員が登場しており、「れんほうってどんな漢字でしたっけ」というフリップも出ていたため、ほぼ本人を出しているのと変わりませんでした。

 結果的にこの回は一部TV局で放送中止、DVD化の際には該当シーンが黒く塗りつぶされたり、フリップの文字へのモザイク、規制音などの加工が施されたりしました。完全な形ではないですが、現在も動画配信サービスで視聴可能です。

 また、放送中止や規制まで至ることはなかったものの、TVアニメ『ケロロ軍曹』の第347話はいまも「よく実現できたな」との声があがっています。同作は、地球侵略を目的にやってきた「ケロロ軍曹」らケロン人と、地球人の日向家による日常が描かれており、第347話のAパートでは『ドラゴンボール』のパロディが描かれました。

 作中では、地球にケロン人の「オララ」がやってきます。彼は、ケロン人たちに挨拶する際に「オッス! おら、オララ」「オメエラ、ちょっくら2、3日泊めてくれ」と話しており、その雰囲気は『ドラゴンボール』の主人公「孫悟空」そのものでした。オララの声優は本家の野沢雅子さんが担当しています。

 さらに、地球を襲う「ナンク星人」と戦う場面では、オララが周りに「みんなのオーラをオラに分けてくれねえか」と頼み、ケロロ軍曹たちは両手を天に上げ、まさに「元気玉」を彷彿とさせる場面も描かれました。かなりそのままな『ドラゴンボール』のパロディに、視聴者からは「まんま悟空で笑った」「よく許されたな」「声優も野沢さんって豪華すぎる」など、大いに話題になっています。

(LUIS FIELD)

【画像】え…っ? 「パロディだけど本家」こちらが『ケロロ軍曹』に出てくれたまさかの人物です

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