いろんな問題シーンがあった人気アニメ BPOへの苦情「原作通りの文言でも適切な表現に」
これまで放送されたアニメ作品のなかには、とある場面が問題視されて物議をかもしたこともありました。ときにはBPOにクレームが入ったり、放送が中止されたりなど、その作品がたどった結末はさまざまです。
国民的作品に登場した問題ワード

いままで数々のアニメが放送されてきたなかで、特定のシーンに対してクレームが「BPO(放送倫理・番組向上機構)」に寄せられることもありました。放送への苦情や放送倫理の問題に対応する第三者機関のBPOの公式サイトには、視聴者からの意見が掲載されています。
具体的な作品名は公開していないものの、放送された作品と寄せられたクレームの時期を照らし合わせ、おおよそあてはまる作品の予想がつくこともありました。
たとえば、2016年2月に放送されたアニメ『名探偵コナン』の808話「かまいたちの宿(前編)」では、とある場面が問題視されています。作中では、主人公「江戸川コナン」たちが訪れた旅館の女将が、「女体盛りをやるように言われた」と話す場面がありました。
放送があった時期のBPOのサイトには、「夕方の時間帯に放送されているアニメ番組で“女体盛り”について触れたシーンがあり、不快になった」との記載があったことから、夕方6時頃から放送されていた同作についての意見といわれています。
こちらは原作通りの展開で、「毛利小五郎」の脳内に浮かんだ女体部分は黒塗りになっていたものの、BPOに寄せられた意見には「たとえ原作にあった文言であっても、放送倫理、放送時間帯、子どもへの影響を考慮して、放送における適切な表現に変更してほしい」とありました。もしかすると、子供に「女体盛りって何?」などと聞かれ、困った家庭もあったのかもしれません。
また、2017年10月から深夜枠で放送が始まったTVアニメ『いぬやしき』の第2話にも、クレームが寄せられたといわれています。同作は、58歳のさえない会社員の主人公「犬屋敷壱郎」が、宇宙人の事故に巻き込まれたことで身体を機械にされてしまう物語です。10月13日に放送された第2話では、同じ事故で機械にされた高校生「獅子神皓」が、他人の家に侵入し、指でっぽうで一家を惨殺するシーンが描かれました。
そして、同時期のBPOのサイトには、「アニメ番組で、知らない家に侵入して、家族を次々に殺すというシーンがあった。見ていて残酷で不快だった。深夜の時間帯といえども、録画などで子どもたちが見てしまうと悪影響を及ぼすのではないかと心配だ」とのコメントが寄せられています。原作通り幼い子供まで殺されてしまう残酷な場面でしたが、ネット上には「深夜放送だから親が規制すれば問題ないのでは?」「子供向けじゃないの分かるでしょ」などの反応が見られました。
また、BPOにクレームが寄せられた作品以外にも、何度か「これはやりすぎ」と話題になったのが、原作でも過激な下ネタやパロディが描かれる『銀魂』です。「桂小太郎」のペットである地球外生物「エリザベス」の過去をたどった第232話『忘れっぽい奴は忘れた頃にやってくる』(2011年10月放送)では、選挙に向けて活動する蓮舫さんを模した女性議員が登場して、唐揚げを高齢者に投げつけたり、髪を無理矢理刈り上げたりなどの奇行に及ぶのでした。
さらに「れんほうってどんな漢字でしたっけ」というフリップも出すなどやりたい放題の回になり、それが災いしてか、アニメ専門チャンネル「AT-X」では第232話の放送を休止したのです。また、DVD化の際には該当シーンが黒く塗りつぶされ、フリップの文字へのモザイク、規制音などの加工が施される事態にもなりました。
(LUIS FIELD)