えっ「枠変えられた」「完走できるの？」　攻めに攻めた「地上波ギリ」アニメ

プライムタイムに挑戦状を叩き付けたアニメ

　地上波でアニメを放送するにあたっては、過激な表現はなるべく制限しなければなりません。しかし、なかには放送コードを無視したかのような、衝撃のアニメもありました。

●『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』

『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』は、2014年にTOKYO MXほかで放送されたラブコメ作品です。主人公「神前美月」が突如として幽霊の少女「寿日和」に取り憑かれ、彼女を成仏させるために奮闘していく姿が描かれていきました。

　日和を成仏させる条件は、美月の義兄「夕哉」と「イチャイチャラブラブ」することで、第1話では日和がさっそく美月の身体をもてあそぶ危険なシーンが放送されました。

　地上波で性描写を含むアニメは珍しくありませんが、基本的に深夜枠というのがお決まりです。しかし、『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』は22時台のプライムタイム枠で放送されていました。自主規制付きだったとはいえ、かなり挑戦的な試みだったと言えるでしょう。そして、同作は「BPO」で審議入りし、途中で深夜枠に移動しています。

●『Sランクモンスターの《ベヒーモス》だけど、猫と間違われてエルフ娘の騎士（ペット）として暮らしてます』

「ベヒーモス」の幼体に転生した主人公「タマ」が猫と間違えられて、エルフ娘「アリア」に拾われるというあらすじの物語『Sランクモンスターの《ベヒーモス》だけど、猫と間違われてエルフ娘の騎士（ペット）として暮らしてます』は、2025年1月よりTOKYO MXほかで放送されています。豊満なボディを持つアリアのお色気シーンが見どころとなっており、着替えや入浴といったシーンも少なくありません。

　そんなお色気描写以上に物議をかもしているのが、アリアがタマを愛撫するシーンです。なぜかアリアはなで回す際に顔を赤らめていることが多く、第2話で耳を舐められた際には、目をハートにして艶っぽい声を上げる場面までありました。

　その背景には、アリアが密かに抱く「ある欲求」が関係しています。本来地上波では語れないような内容で、原作ファンからは「深夜でも無理」「完走できるのか？」といった声が集まっていました。

●『桃華月憚』

『桃華月憚』は成人向けゲームが原作のアニメで、2007年にTOKYO MXほかで放送されました。同作は上津未原という土地に建てられた「桃歌台学園」を舞台に、同地を古くから支配する守東家に住まう人びとを中心に紡がれる幻想的なラブストーリーです。

　成人向けゲーム原作ということで過激な描写を多く含む同作で、とくに問題視されたのが第22話でした。ヒロイン「川壁桃花」がイジメの対象になってしまう回で、作中では見るに耐えない仕打ちがいくつも描かれています。

　上履きを隠されたり、画鋲を入れられたりするのはまだ序の口で、エスカレートして虫だらけの箱を渡されたり、ロッカーに動物の死骸が詰め込まれていたり、さらには、お弁当に使用済みの避妊具を入れられるという場面までありました。現在よりも、コンプラの緩かった当時だからこそ描けたシーンと言えるでしょう。