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「大沢たかお」日本アカデミー賞助演男優賞受賞なるか 『キングダム』ぶっとい筋肉の役作りに現場は震撼!

「第48回 日本アカデミー賞」の授賞式で一番注目されているのは、『キングダム 大将軍の帰還』での「王騎」役の演技が絶賛された大沢たかおさんが、最優秀助演男優賞を獲れるかどうかではないでしょうか。大沢さんが王騎役にかけたすさまじい役作りを振り返ります。

圧倒的身体を作って戦闘は4作目まで引っ張った

映画『キングダム 大将軍の帰還』王騎のキャラクタービジュアル (C)原泰久/集英社  (C)2024 映画「キングダム」製作委員会
映画『キングダム 大将軍の帰還』王騎のキャラクタービジュアル (C)原泰久/集英社  (C)2024 映画「キングダム」製作委員会

 2024年をにぎわせた数々の日本映画を表彰する「第48回 日本アカデミー賞」の授賞式が、2025年3月14日(金)に行われます。さまざまな作品のなかで特に注目を集めているのは、人気マンガの実写化シリーズ4作目で、作品賞ほか10部門にノミネートされている『キングダム 大将軍の帰還』(原作:原泰久)でしょう。

『ラストマイル』『正体』『夜明けのすべて』など数々の良作が各部門にいるため、どこまで最優秀賞をとれるかは未知数ですが、なかでも期待が大きいのは最優秀助演男優賞にノミネートされている「王騎」役の大沢たかおさんです。大沢さんは本作の演技で「第67回ブルーリボン賞 助演男優賞」も受賞しており、日本アカデミー賞も優秀助演男優賞受賞の段階で公式X(旧:Twitter)に多数の祝福の声が寄せられています。

 春秋戦国時代の古代中国を描いた『キングダム』で大沢さんが演じた王騎は、「秦国」のかつての「六大将軍」のひとりであるカリスマ的存在で、圧倒的強さを誇る人気キャラです。主人公「信(演:山崎賢人)」を導く重要なポジションで、マンガではビジュアル及び内面も含む、その「巨大さ」が強調されて描かれてきました。実写化はかなり難しいキャラだったと思われますが、2019年の1作目の初登場時から大沢さんの王騎は絶賛されています。

 2023年7月30日放送の日本テレビ系『おしゃれクリップ』に出演した際、2016年から約2年ほど休業していた大沢さんは、王騎のオファーを受けて復帰を決めたことを明かしていました。プロデューサーの「失敗したら一番酷評される役どころ」という言葉に奮起し、20kg近い増量を行ったことを語っています。朝は肉を700gにご飯を2、3杯食べ、時間をおいてプロテインを飲みトレーニングに明け暮れたそうです。

 1作目のパンフレットによれば、最初は王騎の甲冑からのぞいている腕の部分は筋肉スーツを使うという案もあったようですが、大沢さんの努力のたまもので生身の王騎の太い腕が再現され、巨大な矛を振るう終盤のシーンにも説得力が生まれています。

 映画は大ヒットし、その後、2作目、3作目が作られるなかで大沢さんは王騎役のために、さらに身体を作り上げていきました。3作目『キングダム 運命の炎』公開時には、身体のサイズを測ってから4週間ほどで衣装を作るまでの間に、大沢さんがさらにパンプアップしてサイズが合わなくなり、最終的に4回衣装を作り直すことになったことも明かされています。

 3作目パンフレットでのプロデューサー松橋真三さんのインタビューでは、「あのように王騎役を仕上げて現場にやってくるその行為、行動は人の心を動かし、本気にさせます」「自分たちももっとやらなければという雰囲気が現場で生まれました」と、大沢さんの姿勢が現場の士気を高め引っ張っていったことも語られていました。

 過酷なトレーニングで見るからに強そうになっていった王騎ですが、3作目までは信やその仲間たちを見守る立場で、本格的には戦っていません。そして、ついに4作目『キングダム 大将軍の帰還』で、王騎は因縁の相手である敵国「趙」の大将「ホウ煖(演:吉川晃司)」と激突しました。

 アクション監督の下村勇二さんが「首まわりや腕まわりが1作目の王騎が小さく見えてしまうくらい大きくなっていました(4作目パンフレットより)」と驚くほど特に身体を仕上げてきた大沢さんは、巨大な矛を手に吉川さんと6日ほどぶっ続けでクライマックスのアクションシーンの撮影に挑んだそうです。

 シリーズを通して20㎏以上増量して90㎏になった大沢さんに負けじと、吉川さんも15kg増量して86kgまで身体を仕上げ、山籠もりまでして矛を振るう練習をしています。一騎打ちの途中の「ぶつかり合った矛がしなって曲がる」というマンガ的表現の再現も、ふたりの肉体の説得力があるからこそできたことでしょう。

 圧倒的な肉体の説得力だけでなく、表情や声、たたずまいの演技まで大沢さんが人生をかけて挑んだ王騎役の演技には「貫禄、包容力、強さ、冷静ななかの闘心の強さ……何をとっても大沢さんだったからこそできたことだと思う」「あの王騎の『ンフ』を誤魔化すことなく、現実的かつ自然な笑い方へと昇華させ、自分のものにしている演技力に脱帽」「原作と全く同じ王騎かっていうとそうでもないのに、彼以外王騎じゃないと思わせる説得力、大将軍の風格があまりにもすごい」と、絶賛が相次いでいます。

 大沢さんの最優秀助演男優賞を有力視する声はかなり多いですが、果たしてどうなるのでしょうか。過去、『解夏』(2004年)で優秀主演男優賞、『地下鉄に乗って』(2006年)で優秀助演男優賞を獲っていますが、最優秀賞となると今回が初です。第48回日本アカデミー賞授賞式は、21:00から日本テレビ系にて放送予定です。

(LUIS FIELD)

【画像】え…っ? 「10年前ほそッ」「もう隣に新木優子さんがいる?」 こちらが2015年と2024年、王騎をやる前後の大沢さんのビフォーアフターです

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