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制作の苦労がうかがえる「作画崩壊」アニメ 「謎の口が出現」「と、止まってる?」

アニメの視聴者は作品が放送に至るまでに、どのような経緯をたどったのかは基本的に知るよしもありません。アニメのなかには、タイトなスケジュールにより作画が崩壊した作品もあり、一筋縄ではいかないことも多いようです。

最初はちゃんとしてたのに

『俺が好きなのは妹だけど妹じゃない』Blu-ray (C) 2018 恵比須清司・ぎん太郎/KADOKAWA/いもいも製作委員会
『俺が好きなのは妹だけど妹じゃない』Blu-ray (C) 2018 恵比須清司・ぎん太郎/KADOKAWA/いもいも製作委員会

 普段から何気なく観ているアニメは、制作陣や声優たちによる並々ならぬ努力のおかげで視聴できているといってもいいでしょう。しかし、なかには作画に問題があって、ハードな制作状況だったのではと感じてしまう作品もありました。

 たとえば人気ライトノベル『ロスト・ユニバース』(作:神坂一/イラスト:義仲翔子)のアニメ版は、作画崩壊で有名になった一作として知っている人も多いでしょう。1998年から放送が始まった同作は、腕利きのトラブルコントラクター(厄介ごと請負人)の主人公「ケイン」が、制御コンピューターの「キャナル」や「ミリィ」を連れて銀河にはびこるトラブルを乗り越えていく物語です。

 同作の作画崩壊が目立った場面は、オープニングでした。過密スケジュールで十分な制作時間が確保できなかったことによって「只今 作業中」「UNDER CONSTRUCTION(工事中)」といったカットが差し込まれ、完成前の状態でオープニングが放送されたのです。また作画崩壊は本編にも及んでおり、第4話(動画配信サイトでは第12話)「ヤシガニ屠る」では、登場キャラの動きがカクカク、表情が雑といった場面が目立つ有名な回となりました。

 ほかには、全12話のうち特に第11話の作画崩壊が目立った『ウィザード・バリスターズ~弁魔士セシル』(2014年放送)も見逃せません。同作は人間と魔術使いが共存する世界で、魔術使いの被告を弁護する弁魔士の主人公「須藤セシル」を取り巻く、仲間たちの物語が描かれています。

 原案や監督、キャラクターデザインは『ガリレイドンナ』などで知られる梅津泰臣さんが担当しており、アニメオリジナル作品として注目を集めていました。放送当初は迫力のあるバトルシーンなどが好評だったものの、視聴者を驚かせることになります。

 問題となった第11話は、ワンカットで同じキャラだけを映し続ける「止め絵」が多用されたほか、コマの使い回しや、ところどころ作画の乱れなどが目立ちました。視聴者からは、「第1話はよくできていたけど、徐々に作画のブレが多くなった印象。特に11話はびっくり」「良い設定、良いキャラデザなだけに作画崩壊がもったいない」などの声が出ています。

 作画崩壊によって話題になったほかのアニメといえば、2018年にアニメ化された『俺が好きなのは妹だけど妹じゃない』(原作:恵比須清司/イラスト:ぎん太郎)も外せないでしょう。同作は、ライトノベル作家を目指すも万年一次選考落ちの高校生「永見祐」が、何気なく送った作品が大賞を受賞した妹「涼花」の代わりに、作家「永遠野誓(とわの ちかい)」として活動する物語です。

 作画の粗が目立ち始めたのは第2話からで、キャラの顏のタッチがシーンごとに変わり、不安定な描写が連発されました。さらに第4話の終盤では涼花がしゃべり出す直前、彼女の口とは別にもうひとつ宙に浮いた口が映るという、恐ろしい場面が発生しています。ちなみに、いまでもその様は動画配信サービスで視聴可能です。

 同作の作画は語り草となっており、ネット上には「急に祐の眉毛がつり上がったシーンは忘れられない」「涼花に関しては誰だか分からないレベルの部分がよくあった」などの声が出ています。

(LUIS FIELD)

【画像】え、「妹だけど妹じゃない謎の口が」「もはや怖い」 こちらが「作画崩壊」で話題になった伝説のアニメです(4枚)

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