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ラストどうなったっけ? 最終回が思い出せない昭和の名作マンガ3選

昭和には数多くの名作マンガが登場しました。一度はリアルタイムで読んでいても、人によっては結末を思い出せない作品もあるかもしれません。この記事では、令和の現在でも語り継がれている昭和マンガの最終話を振り返りましょう。

最終話で人気作の続編と判明する驚きの結末

黒井ミサが表紙に描かれた『エコエコアザラク』第1巻 著:古賀新一(秋田書店)
黒井ミサが表紙に描かれた『エコエコアザラク』第1巻 著:古賀新一(秋田書店)

 昭和には有名漫画家たちによる数々のマンガが世に送り出され、現在まで名作として語り継がれている作品もあります。しかし、昭和から40年近く経つ今、タイトルは覚えていても物語の結末を忘れてしまったマンガもあるのではないでしょうか?

 例えば、日本中に黒魔術ブームを巻き起こしたホラーマンガ『エコエコアザラク』(作:古賀新一)の最終話を覚えているでしょうか? 1975年から1979年まで「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)にて連載された同作は、魔女「黒井ミサ」に関わる人たちに、彼女が操る黒魔術によって不幸が訪れるという物語です。

 冷酷なミサの動向や人の心の闇などが描かれるなか、掲載誌での最終話は、主人公であるはずのミサが活躍することなくラストを迎えます。

 最終話のメインとなる登場人物は、妻子のいる「笠妖作(りゅう ようさく)」という小説家で、機嫌が悪いと家族に八つ当たることもありました。ある日、妖作が謎の人物と友人になったことをきっかけに、妖作は別人と思えるほどに人が良くなります。

 しかし、その人物は妖作だけが見える幻覚で、実際は誰もいない空間に話しかけていただけでした。最終的に、妻は「ただ人に見えないものが見えるだけ」「だって幻の人のおかげであれほどすばらしい人になってくれたんだもの」と、夫を受け入れることで幕を閉じました。重い話が多い作風にしては、意外とあっさりした最終話でした。

 意外な結末が描かれた作品といえば、1973年に「週刊少年マガジン」(講談社)で連載が始まった『バイオレンスジャック』(作:永井豪)のラストは外せないでしょう。同作は「関東地獄地震」によって分断された無法地帯の平野を舞台に、暴力での支配を企む「スラムキング」と、それを食い止める「バイオレンスジャック」との戦いが繰り広げられる作品です。

 また、掲載誌を2度変えており、1回目は「月刊少年マガジン」(講談社/1977年から1978年)、最後は「週刊漫画ゴラク」(日本文芸社/1983年から1990年)で連載しています。

 そのなかでも、「ゴラク」で掲載された最終話では、永井豪先生の代表作『デビルマン』に「サタン」として登場した「飛鳥了」が黒幕であることが判明し、さらに「バイオレンスジャック」の正体が「デビルマン」だったという驚きのラストが展開されます。

 そして、ふたりは戦ったすえに相打ちとなり、その後に壊滅した関東地域が復興して平和が訪れるのでした。最後の最後で同作は『デビルマン』の続編だったことが明かされ、まさかの結末に驚いた読者も多かったようです。

 そして、1973年から1975年まで「週刊少年チャンピオン」にて連載されたホラーマンガ『恐怖新聞』(作:つのだじろう)のラストは後味の悪い結末でした。同作は中学生の主人公「鬼形礼」が、1日読むごとに100日ずつ寿命が縮まる「恐怖新聞」を受け取ったことで、奇怪な運命をたどる物語です。

 最終話では、恐怖新聞を発行する悪霊霊団によって死んだ鬼形が、霊団に「バス事故を装ってクラスメイトを皆殺しにすれば体をもとにもどす」と持ち掛けられます。しかし、鬼形は霊団の取り引きを無視してクラスメイトを助け、その行いが報われた鬼形の魂は幽界に導かれました。

 このまま幕を閉じるかと思いきや、未練がある鬼形は霊体のまま現世に戻り、自ら恐怖新聞を配るというラストで完結するのでした。ハッピーエンドとは言い難い何とも言えない結末で、読者からは「あまりにも救いがなさすぎる」といった声が目立ちます。

(LUIS FIELD)

【画像】黒井ミサがアイドルみたいな美女に? こちらが令和版『エコエコアザラク』です(3枚)

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