キリンに輝く宝石←存在しないのに「ありそう」と思わせる自然さと温かみのある動物たち
色鉛筆画家の安部祐一朗さんは、宝石と生き物を組み合わせた色鉛筆画を中心に活動する人物です。2025年3月に発売された単行本『安部祐一朗・音海はる・慧人 リアル色鉛筆画作品集&メイキング』を記念して、作者の安部祐一朗さんにお話を聞きました。
色鉛筆とは思えない宝石の輝き方に驚く

宝石と生き物を組み合わせた色鉛筆画を中心に作成する安部祐一朗さん(@yuichiro_abe)は、独学で勉強を始めた人物です。SNS上に投稿した宝石の色鉛筆画によって人気に火が付き、多くのファンがいます。
2025年3月22日に、安部祐一朗さんとほかふたりによる『安部祐一朗・音海はる・慧人 リアル色鉛筆画作品集&メイキング』(宝島社)が発売されました。色鉛筆なのにキラキラ輝く宝石と、生き物や無機物を組み合わせたイラスト合計24作品が掲載されています。現実はあり得ない組み合わせですが、安部祐一朗さんが描くイラストでは「本当に存在しているのでは?」と疑いたくなるほど自然に描かれていました。

色鉛筆画や宝石について、作者の安部祐一朗さんにお話を聞きました。
ーーおよそ何種類の色鉛筆を使って作品を制作しているのでしょうか?
ファーバーカステル社の「ポリクロモス」120色を使用しています。1作品あたり、最低でも15色、多くて40色以上使うこともあり、色の重ね方や表現したい質感によって大きく変わります。
ーー掲載された作品のなかで最も印象的なのはどの作品でしょうか? また印象深い理由もあわせてご教授いただけますと幸いです。
「色鉛筆×ロードクロサイト」です。生物と宝石の融合をテーマとしている僕にとって、この作品は少し異色で、生物ではなく色鉛筆と宝石を融合させた一作になります。
高校生のときに買ってもらった色鉛筆は、まさに人生に必要不可欠な宝石のような存在でした。そんな思いを込めて描いたこの作品は、自分の原点を再確認させてくれる、非常に印象深いものとなっています。
ーー実際に宝石を見ながら執筆されるようですね。現在は何種類ほど宝石を描いているのでしょうか? また今後、描いてみたい宝石があれば教えて下さい。
現在、原石が約20種、ルースが約40種のコレクションがあります。モチーフとなる鉱物は、できる限り自分で実物を購入し、実際に観察しながら制作しています。今後挑戦してみたいのは「自然金」や「自然銀」です。繊細な形状や質感を色鉛筆で表現するのは難易度が高く、個人的に大きな挑戦となると思いますが、それだけに描いてみたいという気持ちも強いです。
なお、これまでに描いてきた宝石の「種類数」については、同じ鉱物でも産地や色の違いによって名称が異なることが多いため、明確に何種類とはお伝えが難しいです。
(マグミクス編集部)