「音が生々しい」「未成年じゃないの?」衝撃描写がしっかり再現されたマンガ原作映画
過激なマンガの実写化は、性的なシーンをどのように再現するのか話題になることも少なくありません。実際に大人向けのシーンが忠実に描かれた作品は、「そこまで見せるの?」とファンを驚愕させたこともありました。
ガチの中学生に見えると話題に

性描写の多い青年向けマンガは実写映画化の際、ファンからどこまで再現されるのか注目を浴びます。なかには、そのまましっかりと再現して、観客を驚かせた作品もありました。
●『うみべの女の子』
2021年に公開された実写映画『うみべの女の子』(原作:浅野いにお)は、中学生の「佐藤小梅(演:石川瑠華)」が先輩にフラれたことで、小梅に思いをよせる同級生「磯辺恵介(演:青木柚)」と肉体関係を持つ物語です。関係を続けていくうちに小梅は磯辺へ思いを募らせていきますが、磯辺は心が離れていき、すれ違うふたりの切ない姿が描かれています。
「恋」と「性」を描いた本作には多分な性描写があり、磯辺の部屋や浴室での行為など生々しい肉体関係が再現されました。学校のトイレで人が入ってきても声を押し殺して行為を続ける場面など、ドキドキした人も多いでしょう。
そんなふたりの姿はファンから高く評価され、特に石川さん(撮影当時22歳)は「20代なのに中学生に見える」と、ビジュアル面でも絶賛されています。オーディションの日に学生服を着た石川さんと会った原作者の浅野先生も、「中学生がこんなビルになんの用だろう」と思ったと、インタビューで語っていました。
●『ファンシー』
山本直樹先生のマンガが原作の実写映画『ファンシー』は、2020年に公開されました。本作は田舎の温泉街を舞台に、昼は郵便屋で夜は彫師の男「鷹巣明(演:永瀬正敏)」と、詩人「南十字星ペンギン(演:窪田正孝)」、そしてペンギンの熱烈なファン「月夜の星(演:小西桜子)」の三角関係を描いた作品です。
原作は動物のペンギンが主人公ですが、映画版ではペンギンを人間に置き換え、主人公もペンギンから鷹巣へと変更されているほか、原作にないヤクザの抗争も描かれていました。
三角関係は、月夜の星がペンギンのもとへ押しかけたことを機に始まります。性的不能のペンギンとは清い関係を保っていたものの、共同生活にズレを覚えた月夜の星は、やがて鷹巣と肉体関係を結んでしまうのです。
作中では肉欲に溺れる姿をしっかり再現しており、生々しい行為中の息遣いや衣擦れの音にも驚かされます。それ以外にも、ヤクザの抗争など刺激的なシーンも多い作品ですが、郷愁のある風景や官能と暴力が入り混じった世界観は独特な雰囲気をはらみ、観客から高く評価されています。
●『くも漫。』
中川学先生の実体験を基に描いた『くも漫。』は、2017年に実写版の映画が公開されました。職を得てニートから脱却した主人公「中川学(演:脳みそ夫)」が風俗店に行くも、プレイ中にくも膜下出血を起こして搬送され、家族に風俗店で倒れたことを隠しながら闘病生活を送るストーリーです。
基本的に闘病生活を描いている作品ではありますが、冒頭から客が風俗店でプレイに興じるリアルな様子が描かれています。もちろん、中川が風俗店を訪れたときのシーンもあり、売れっ子の風俗嬢「ゆのあ(演:柳英里紗)」が中川に奉仕する場面では、生々しい音が再現されていました。
闘病生活という重い題材ではありますが、中川が必死に倒れた場所を隠したり、親戚一同で倒れた場所を推理したりと、コミカルなシーンも随所に盛り込まれています。本作を観た人からは、「くも膜下出血が起きたらどうなるのか勉強になった」「何事もなく日々を送れるありがたみを改めて感じた」と声があがり、病気の恐ろしさを痛感する人もいたようです。
(LUIS FIELD)