タイトルでもう「アウト」だと思ったら 意外と誰でも観られる実写化映画
エロやグロテスクな描写を含むマンガが実写化される際には、年齢制限が設けられることが多くあります。しかしなかには、原作の世界観を崩さずに、決定的な表現を避けることでR指定を回避した実写映画もありました。
エロよりなんだか笑える?

人気マンガが実写化される際、過激な描写を含む作品には年齢制限が設けられることがあります。しかし、なかにはタイトルやビジュアルから過激な内容が想像できるにもかかわらず、R15+指定やR18+指定は免れた実写映画もあります。
●『ふたりエッチ』
1997年から「ヤングアニマル」(白泉社)で連載中のマンガ『ふたりエッチ』(作:克・亜樹)は、2000年にドラマ化され、2011年から2019年にかけて全6作の実写映画が公開されました。2011年から2012年の4作品で森下悠里さんが、2019年の2作品で青山ひかるさんがヒロイン「小野田優良」役を務めています。
タイトルからして過激ですが、本作は初心者同士の夫婦「小野田真」と「優良」が性生活を充実させるために互いに努力する姿や、ふたりが抱える悩み、登場人物それぞれの恋愛観に焦点を当てた内容です。そのため、性的な描写もギリギリの見せ方にとどめられていました。
とはいえ、2011年と2012年の映画版にはPG12指定(12歳未満の鑑賞には、成人保護者の助言や指導が適当とされる)が設けられ、森下さんのランジェリー姿や、行為中の生々しい息づかいなど、ドキドキ感を高める演出が随所に盛り込まれています。
シリーズを通して、真と優良が互いに支え合いながら前向きに関係を築いていく姿が丁寧に描かれており、タイトルとは裏腹に「純愛ラブストーリー」としての評価が高い作品です。
●『HK/変態仮面』
2013年、2016年に公開された映画『HK/変態仮面』は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて連載されたギャグマンガ『究極!!変態仮面』(作:あんど慶周)が原作の実写化作品です。
主人公「色丞狂介(演:鈴木亮平)」は、女性用パンティをかぶると超人的なパワーを発揮する「変態仮面」に変身するという秘密があります。パンティの股間部分で鼻と口を覆い、パンツ一丁に網タイツという強烈なビジュアルは公開当時大きな話題となりました。
タイトルは直球ながら、第1作はPG12指定、第2作は全年齢対象と過激な描写は控えめです。しかし、鈴木亮平さん演じる変態仮面が敵と戦う際には、パンツを肩まで引き上げてクロスさせ、尻を丸出しにするなど、原作さながらのコミカルかつ大胆なアクションで、大きなインパクトを与えました。
原作ファンからは鈴木さんの鍛え抜かれた肉体美と、振り切った演技を高く評価する声もあがっています。
●『風俗行ったら人生変わったwww』
「2ちゃんねる」への投稿が原作で、マンガ化(原作:@遼太郎 作画:山口 かつみ )もされた『風俗行ったら人生変わったwww』は、2013年に満島真之介さん主演で実写映画化されました。
29歳童貞男の主人公「遼太郎」は、デリヘル嬢の「かよさん(演:佐々木希)」と出会い、一目で恋に落ちます。そして、遼太郎は、男に騙され借金を抱え風俗で働かざるを得ないかよさんを、なんとか救おうと動き出しました。
きわどいタイトルとは異なり、笑って泣けるラブストーリーとして知られる本作は、プレイシーンなどの描写はあるものの、直接的な表現は控えられており、PG12指定にとどまっています。
全編を通じてコメディタッチで描かれており、クスッと笑える遼太郎とかよさんのやり取りも本作の大きな見どころです。特に終盤のどんでん返しや、ユーモアあふれる展開が話題を呼びました。
(LUIS FIELD)