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ガンダム初心者が「バスク・オム」を「いい人」と勘違い? 「ヘンテコゴーグルおじさん」への意外な評価

『機動戦士Zガンダム』に登場する悪役中の悪役「バスク・オム」が、なぜかSNSで「いい人説」があがっているようです。

ガンダム初心者は勘違いしちゃうかも?

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 2025年5月13日深夜放送の『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』第6話を受けて、「バスク・オム」がX(旧:Twitter)でトレンド入りするほど再注目を集めました。

 そんななか、SNSではこの「バスク・オム」について、「実はいい人なのでは?」という意外な視点が話題となっています。悪役中の悪役に対して、なぜ「いい人」疑惑が持ち上がったのでしょうか。

『機動戦士Zガンダム』に登場するバスク・オムは、地球連邦軍所属の特殊部隊「ティターン」の大佐。コロニーに毒ガスを散布し約1500万人もの市民を死に至らしめるなど、非情かつ冷酷な行動で視聴者の記憶に強く残る悪役です。同じ連邦軍の「ブライト・ノア」や「レコア・ロンド」に暴力を振るうシーンもあり、明確に「悪役」「嫌なヤツ」として描かれています。

 今回のバスクの「いい人」概念が生まれた背景として、まずは声優の印象の違いがあるようです。オリジナルの『Zガンダム』では郷里大輔さんが低音の悪役ボイスでバスクを演じていましたが、新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』では安元洋貴さんが担当。「なんかちょっと良い人そう」という投稿もあるように、この声の印象の違いも「いい人感」を生み出す要因となっているようです。

 さらにバスクの特徴的なゴーグル姿は、「攻殻機動隊」シリーズに登場するバトーに似ていると指摘する声がSNSで見られました。ファンの投稿では「攻殻機動隊を履修した私にはわかる」として、このような特徴的な外見を持つおじさんキャラは「実は人情深くていい奴」という印象を与えると説明されています。またあるユーザーは「ヘンテコゴーグルおじさん」というカテゴリーに言及し、人情深いキャラクターのバトーと同じく、バスク・オムにも良いイメージが転移しているようです。

 こうした「バスクはいい人」説を楽しむ投稿はSNSで多く見られます。あるユーザーはバスクの「良いところ」として、渋い声や汚れ仕事をこなすこと、地球防衛の最前線に立つことなどを挙げ、「なんだ、バスクさんはやっぱりいい人じゃん」と皮肉を込めて結論づけています。

 もちろん、「バスクが良い人なわけがない」という声も多数あり、1500万人を毒ガスで死亡させた事実を挙げて反論するファンも。バスクを「極右レイシスト」と称し、その悪行を列挙する意見も見られます。ひるがえって「良い人バスクとかあり得なさ過ぎて面白い」という声もあります。

 結局のところ、『Zガンダム』をよく知る視聴者にとってバスク・オムが「いい人」であるはずがないことは明白です。しかし、彼の特徴的なビジュアルや新しい声優の印象から生まれた「バスクはいい人」という逆説的な見方は、古いキャラクターを新鮮な視点で楽しむきっかけとなっているようです。

(マグミクス編集部)

【画像】えっ、「いい人」に見える? 『Zガンダム』バスクと同じ「ヘンテコゴーグルおじさん」キャラです(3枚)

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