ラストで「一変」「急にオッサンが」 最後に物議をかもした人気アニメ
アニメの最終回は多くの人が、謎の回収や感動的な締めくくりなど、期待を膨らませて観ることでしょう。過去に放送されたアニメのなかには、最終回が予想外の内容となり、賛否を呼んだ作品もありました。
もはや別アニメ? 雰囲気が一変した最終回

アニメの最終回は、それまでの伏線の回収や感動的なラストといった締めくくりを期待されます。しかし、なかには予想外の最終回で物議をかもした作品もありました。
●『まほろまてぃっく~もっと美しいもの~』
人気TVアニメ『まほろまてぃっく』(原作:中山文十郎/作画:ぢたま某)は、地上最強のアンドロイドのメイド「まほろ」と、その主人である中学生「美里優」をはじめとした少年少女たちが繰り広げる日常や、外宇宙からの侵略者との過酷な戦いを描いた物語です。
2002年に放送されたシリーズ2期『まほろまてぃっく~もっと美しいもの~』は、原作よりも早い完結となり、オリジナルのまさかの最後が描かれました。最終回前の第13話では、まほろが敵対する組織の兵士を道連れに自爆します。そして、彼女が退場したまま迎えた最終回では、急に20年後の世界が描かれ、大切なまほろを失い雰囲気が激変した優が登場しました。
最終的に蘇ったまほろと再会して、ハッピーエンドでは終わったものの、それまでのほのぼのとした雰囲気が一変して陰鬱になったラストに対し、「荒んだオッサンの優は見たくなかった」「ここまでラブコメでいい感じだったのに、なぜ最後あんなに暗くしたの」など、戸惑った人も多かったようです。
●『ワンダーエッグ・プライオリティ』
2021年に放送されたオリジナルアニメ『ワンダーエッグ・プライオリティ』は、14歳の「大戸アイ」が謎の物体「エッグ」を割ったことから始まる、少女たちの危険な戦いを描いた物語です。『高校教師』『薔薇のない花屋』など、著名なドラマ作品の脚本を担当した野島伸司氏が初めて手掛けたアニメで、脚本や作画の評価が高い作品でした。
本作は、登場人物の正体やエッグのシステムなどに関して謎が残されたままで最終回を迎えており、その後の「特別編」で伏線が回収されることを期待されていました。ところが、1時間の枠で放送された特別編は前半が物語を振り返る総集編で、後半でも謎が回収されないまま幕を閉じてしまい、「肩透かし」「良かっただけに残念」といった不満も出る事態になってしまいます。
一方で、「当時は不完全燃焼感すごかったけど、深く考察したら面白さが分かってきた」とも評価されていました。賛否両論ありますが、観る人によって解釈が変わるのが本作の醍醐味かもしれません。
●『さんかれあ』
2012年に放送されたTVアニメ『さんかれあ』(原作:はっとりみつる)は「ゾンビ娘好き」の主人公「降谷千紘」と、ひょんなことからゾンビになった少女「散華礼弥(さんかれあ)」の青春ラブストーリーです。
礼弥に異常な執着をする父親と千紘の勝負などを経て、最終回ではふたりを取り巻くさまざまな問題が一旦解決し、平穏な雰囲気で終わるかと思われました。しかしラストで、礼弥が急に朦朧とし始めたかと思うと千紘に噛みつき、恍惚な表情を浮かべて終了します。
原作では、その後に噛みついた理由が明かされるものの、アニメ勢にとっては謎が残る最後となり「次作への伏線か」などの声が出ました。しかし、現在まで続編はなく、理由を知りたい方は原作マンガを読むしかありません。
※ぢたま某の「某」は、◯内に某が正しい表記。
(LUIS FIELD)