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なぜマクドナルドの『ちいかわ』『マイクラ』は3日で販売終了したのか ハッピーセットは今や「子供向け」じゃない?

SNSとECが加速させる転売問題

5月23日に『ちいかわ』『マイクラ』コラボの第2弾がスタート。
5月23日に『ちいかわ』『マイクラ』コラボの第2弾がスタート。

 今回の早期完売と大きく関係しているのが、SNSとECの発達で加速する「転売目的購入」です。SNS上では販売開始後、ハッピーセットを大量購入する様子や、おもちゃだけを取り出して食べ物は廃棄する投稿が拡散されました。フリマアプリでは定価500円程度のおもちゃが数千円で出品され、「いま買わないと手に入らない」という焦りを生み出しています。

 この現象は単なる「転売ヤー」問題だけでなく、SNS時代の消費行動の変容も後押ししているように思えます。SNSでコレクションを見せる「承認欲求」の充足や、希少アイテムによる差別化欲求が、従来の「使用価値」を超えた新たな価値を生み出しているともとれます。

●転売対策の先例と限界

 今回の転売問題は初めてのケースではありません。先の『エヴァンゲリオン』コラボでも、マクドナルドは事前抽選制やひとり1セットの制限を設けましたが、抽選結果発表直後からフリマアプリには出品が殺到。まだ手元に商品がない状態での出品は規約違反にもかかわらず、定価の3~4倍の値段で取り引きされ、「通報対象」「最悪です」といった声が上がりました。

 この事例は転売対策の限界を示しています。事前抽選制でも転売目的の応募者を排除できず、むしろ「抽選」という希少性が転売価格を高騰させる皮肉な結果に。購入制限や事前予約システムなどさまざまな対策が考えられますが、SNSでの話題性には「希少性」や「入手困難感」が重要な要素となるため、完全な解決策を見出すのは容易ではありません。

●「本来の顧客」と「新たな顧客」のジレンマ

 マクドナルドにとって今回の事態は皮肉なジレンマです。「予想を大幅に上回る売れ行き」という商業的成功を収めながら、「本来の顧客」である子供たちがハッピーセットを手に入れられない事態を招いています。

 現に筆者の周りでも次の話を聞きました。

「子供が『マイクラ』のハッピーセットを所望していたので昼に連れて行ったら、店に着いた瞬間に売り切れ。隣のテーブルで子供たちが『マイクラ』のおもちゃで遊ぶのを横目に、お葬式みたいな雰囲気で食事を終えました」

 マクドナルドは5月23日から本コラボの第2弾を発売予定。今後も、子供だけではなく大人からも人気を集めるIPとのコラボが展開されていくことでしょう。今回の異例の完売スピードを受けて、今後どのような対応を取るのか注目されます。

(マグミクス編集部)

【画像】えぇ…どんだけ可愛いの… コチラがマッククルーになった『ちいかわ』のおもちゃです!(画像:11枚)

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