なぜマクドナルドの『ちいかわ』『マイクラ』は3日で販売終了したのか ハッピーセットは今や「子供向け」じゃない?
マクドナルドのハッピーセット『ちいかわ』『マイクラ』コラボが発売からわずか3日で販売終了という異例の事態に。大人ファンによる大量購入や転売が相次ぎ、本来の顧客である子供たちが入手困難になっています。
本来のお客さんである「子供」が買えない状況に…

マクドナルドが2025年5月16日から販売開始したハッピーセット『マインクラフト ザ・ムービー』『ちいかわ』が、わずか3日で販売終了を迎えるという異例の事態となっています。日本マクドナルドは5月18日、公式サイトで「予想を大幅に上回る売れ行き」を理由に早期販売終了を発表。SNS上では「早期終了」がトレンド入りし、「今日仕事終わりに買えたら…もう販売終了か…」「第2弾もどうせ買えない」といった嘆(なげ)きの声が相次いでいます。
なぜこのハッピーセットはここまでの異例の速さで売り切れたのでしょうか。
●ハッピーセットの位置付けの変遷
そもそもハッピーセットは、1979年にアメリカで「Happy Meal」として始まり、日本では1987年に小さなおもちゃとフードの「お子さまセット」」として導入された商品です。その後、1995年に「ハッピーセット」という名称に変わり、定期的に新しいおもちゃが登場するという現在のスタイルが確率しました。
販売当初のおもちゃはマクドナルドオリジナルキャラクターがメインでしたが、次第にさまざまなキャラクターとコラボしたおもちゃが登場します。近年では『星のカービィ』や『すみっコぐらし』などの人気キャラクターとのコラボは早期に品切れになることも増えていましたが、今回の事例はその傾向が極端に加速した形です。
●大人向けキャラクターとしての特殊性
今回の異例の速さでの完売の背景には、『ちいかわ』と『マインクラフト』というふたつのコンテンツの特殊な位置付けがあります。
『ちいかわ』は2020年にTwitterで発表され書籍化された比較的新しいキャラクターで、小さくてかわいいキャラクターとシビアな世界観とのギャップが特徴です。2022年にはアニメ化され、さらに人気を拡大し、Z世代をはじめとした若年層だけではなく、30~40代にも人気を集めています。
一方『マインクラフト』は2011年に正式リリースされたゲームで、世界累計3億本以上を販売する大ヒット作です。2025年4月に公開された映画『マインクラフト ザ・ムービー』も世界的ヒットとなりました。
両コンテンツに共通するのは子供だけでなく大人のファン層が厚いという特徴です。この「大人向け」戦略はマクドナルドにとって新しいものではありません。2025年1月の『新世紀エヴァンゲリオン』コラボでは、「ビッグマック初号機」「マックフライポテト弐号機」「マックシェイク零号機」の明確に大人向けのセット商品が3900円で販売されました。
こうした大人向けコラボ商品増加の背景には、少子化による子供市場縮小と、キャラクターグッズを積極購入する「大人買い」層の拡大が考えられます。