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『ばけばけ』スキップしちゃうくらい「ビール好き」なヘブン先生 小泉八雲の実話見ると「毎晩そんな量を」「つまみが衝撃」

連続テレビ小説『ばけばけ』では、「ビール」を巡る物語が話題になっています。小泉八雲さんも、相当なビール好きだったそうです。

高級品だったビールを毎晩2本も

『連続テレビ小説 ばけばけ Part1 NHKドラマ・ガイド』(NHK出版)
『連続テレビ小説 ばけばけ Part1 NHKドラマ・ガイド』(NHK出版)

 2025年後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は『知られぬ日本の面影』『怪談』などの名作文学を残した小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)さんと、彼を支え、さまざまな怪談を語った妻の小泉セツさんがモデルの物語です。

 第8週37話では 未来の夫「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)」のもとで女中として働く主人公「松野トキ(演:高石あかり)」が、「ビア(ビール)」を求めて奔走します。最終的に、ヘブンは「山橋才路(演:柄本時生)」が経営する山橋薬舗でようやくビールを飲むことができ、上機嫌になってスキップまでしていました。

 ヘブンのモデルのラフカディオ・ハーンさんは、実際にかなりのビール好きだったそうです。

 1950年に発表された書籍『松江に於ける八雲の生活』(著:桑原洋次郎)には、トキのモデル・小泉セツさんの養家・稲垣家の親戚である高木八百さんという女中から聞いたエピソードが載っていました。セツさんは1891年2月頃から松江市の末次本町にあったハーンさんの一軒家(借家)の女中として働き始めたものの、しばらくして彼女がハーンさんとただの女中ではない関係になったためか、当時17歳の八百さんが実質的な女中として呼び寄せられたと言われています。

 八百さんは、ハーンさんたちが1891年6月に松江市北堀町の旧松江藩士・根岸家の屋敷(現:小泉八雲旧居)に移り住んだ後も女中として奉公しており、『松江に於ける八雲の生活』ではハーンさんのビールの飲み方についても詳しく語っていました。

 同書には

「先生は夕食後には必ず朝日ビールを二本ずつ飲まれました」

「始終朝日ビール何ダースか買い置きして毎晩差し上げておりました」

「先生のお肴は実に妙なものでして。毎晩朝日ビール二本それをお飲みになりますと必ずその後で、今は松江に見当たりませんが黄金牡丹と申しまして、卵黄製で黄色の花弁の中央が紅色になっていました、誠に柔らかい菓子を五六個食べられました。結局ビールのお肴が菓子という訳です」

 といったエピソードが載っています。また、ハーンさんのビールを買うために、八百さんは当時松江で唯一ビールを扱っていた橘泉堂山口卯兵衛商店まで、往復1km余りを走ったこともあったそうです。

 ちなみに、ハーンさんがビールのお供にしていた和菓子・黄金牡丹(こがねぼたん)は、「小豆餡を黄身餡で包んで蒸し上げ、外はカステラ生地のような食感で紅茶との相性も抜群」(山陰中央新報社運営の情報サイト「りびえーる」より引用)だといいます。

『ばけばけ』ではヘブンが卵黄を一気に9個飲み干したり、糸こんにゃくを怖がったりと、当時のハーンさんの逸話に基づいた食事の場面が描かれてきました。今後、瓶ビールを2本飲んだ後、和菓子を食べるという変わった描写もあるのでしょうか。

※高石あかりさんの「高」は正式には「はしごだか」

参考書籍:『八雲の妻 小泉セツの生涯』(潮出版社)、『松江に於ける八雲の生活』(島根新聞社)

(マグミクス編集部)

【画像】え…っ! 「マジかよ」「合うのかな」 コチラが小泉八雲(ハーン)さんが「ビールのおつまみ」にしていた衝撃の食べ物です

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