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明日の『ばけばけ』で「物乞い卒業」できたか不明だったタエ様が再登場 「今どこに住んでるの?」「今後の役割は」

NHK連続テレビ小説『ばけばけ』では、主人公・トキの実の母・タエが物乞いをしていましたが、とうとう8週目で「卒業」できるようです。39話の再登場に期待が高まります。

タエ様はお姫様に戻れる?

雨清水タエ役を演じる北川景子さん(2018年12月、時事)
雨清水タエ役を演じる北川景子さん(2018年12月、時事)

 2025年後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は『知られぬ日本の面影』『怪談』などの名作文学を残した小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)さんと、彼を支え、さまざまな怪談を語った妻の小泉セツさんがモデルの物語です。

 第8週では 主人公「松野トキ(演:高石あかり)」が、未来の夫「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)」の女中として、気遣いや武家の娘のたしなみで覚えた生け花を評価されています。そして、39話ではトキが生け花やお茶を習い直そうと、実母「雨清水タエ(演:北川景子)」のもとを訪ねるそうです。

 そもそもトキが女中になる決意を固めたのは、タエが街中で物乞いをしているのを見てしまったからでした。第7週35話で、ようやくトキの給金からタエや弟「雨清水三之丞(演:板垣李光人)」の生活費を出すことが決まったものの、第8週に入ってから彼女らがどうなったのかが描かれていなかったため、「スキップやビールもいいけど、おタエ様や三之丞はどうなったの?」と気になっている人も多かったようです。

 特に語られていませんが、おそらくタエは三之丞と松江のどこかに家を借りたのでしょう。タエのモデル・小泉チエさんは、一時期物乞いをして暮らしていたものの、小泉セツさんがラフカディオ・ハーンさんの女中として働いて得たお金で、1891年6月頃に借家を借りて住み始めたそうです。

 1891年6月28日の山陰新聞には

「ヘルン氏(ハーンさんの呼び名)の妾(セツさんのこと)は南田町の稲垣某の養女にて、その実家は小泉某なるが、小泉方は追々打ちつぶれて、母親は乞食とまでにいたりしが、この妾というは至って孝心にして、養父方は勿論、実母へも己の欲をそいで与える等の心体を賞して、ヘルン氏より十五円の金を与え、殿町に家を借り受け、道具等をも与え、爾来(じらい:「それ以来」の意味)は米をも与えることとなせりという」

 と書かれた記事が載っています。

 記事にある殿町とは、松江市の市の中央の一角で、チエさんの生家の近くでもありました。チエさんは松江藩家老の塩見増右衛門さんの娘で、塩見家の屋敷は殿町のなかでも立地のいい、松江城の三の丸の御殿の真向かいにあったそうです。孝行者のセツさんの計らいで、チエさんの生まれ育った場所の近くに家を借りてあげたのかもしれません。

『ばけばけ』第8週はまだ1890年の冬を迎える前の時期で、トキは史実よりもだいぶ早く母を救うことができました。明日はいよいよまともな生活を取り戻した、「お姫様」としてのタエが見られそうです。

 モデルのチエさんは家老の娘として、生け花やお茶の高い腕前をもっていたといいます。トキはタエの指導を受けて、「ブシムスメ」としてさらにレベルアップできそうです。

※高石あかりさんの「高」は正式には「はしごだか」

参考書籍:『八雲の妻 小泉セツの生涯』(潮出版社)

(マグミクス編集部)

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