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碇シンジの「名ヘタレシーン」5選。人は弱い生き物、でもそこに魅力がある…!?

『ワンピース』のルフィや『鬼滅の刃』の竈門炭治郎のように強くて行動力あふれるキャラクターがマンガやアニメで大活躍する一方で、それとほぼ真逆の性格と言っていいにもかかわらず人びとから愛されているのが、『エヴァンゲリオン』の主人公・碇シンジです。彼が見せる「弱さ」が人を惹きつける理由とは……?

「できるわけがない」ネガティブ思考のオンパレード

ヘッドフォンをした碇シンジがジャケットに描かれる、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』通常版DVD(キングレコード)
ヘッドフォンをした碇シンジがジャケットに描かれる、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』通常版DVD(キングレコード)

『エヴァンゲリオン』の碇シンジといえば、マンガやアニメの王道的な主人公と違い、人見知り、メンタルが不安定、消極的……など、いわゆるヘタレと言われることも多いキャラクターですが、それでも多くのファンから愛されています。今回は、碇シンジの名ヘタレシーンを、これまで公開された「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズから5つご紹介し、彼の魅力を探ります。

●エヴァンゲリオンへの搭乗拒否

 まずは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』の最初に出てくる「エヴァンゲリオンへの搭乗を拒否するシーン」です。ある日、長年離れて暮らしていた父から呼び出されたシンジは、再会して早々、エヴァンゲリオンで敵と戦うことを指示されるのですが、断固としてこれを拒否します。

 もちろん、初めて見る「汎用ヒト型決戦兵器」なるものに乗っていきなり「戦え」というのがかなりの無茶ぶりであることはわかります。わかるのですが、物語の主人公であるならば、人類のために少しは前向きに考えてみてもいいはず。

 その点シンジは「嫌だよ」「僕にできるわけがない」「できっこない」「こんなの乗れるわけがない」と、ネガティブ発言のオンパレード。『エヴァンゲリオン』最初の名シーンであるとともに、碇シンジのヘタレっぷりも全てはここから始まりました。

●八つ当たりで殴られてもイジイジ……

 こちらも『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』から。「クラスメイトの鈴原トウジに殴られるシーン」です。シンジがエヴァで戦ったとき、鈴原の妹が巻き添えを食らってケガをしたらしく、そのお返しにと、校舎裏に呼び出されたシンジは鈴原にグーで殴られてしまいます。

 せっかく人類を守るために戦ったのに、感謝されるどころか殴られるなんて、シンジにとっては八つ当たりもいいところです。しかし、ここでもシンジはやり返すどころか文句のひとつも言い返しません。しかも、鈴原の去り際に「僕だって乗りたくて乗っているわけじゃないのに」と呟いた言葉にイラッとされ、もう一発殴られる始末です。無抵抗と言えば聞こえはいいですが、男としては覇気がなさ過ぎる名ヘタレっぷりでした。

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