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「ジャンプ」作品・血のつながりを超えた絆4選 注がれる愛に涙腺崩壊

「週刊少年ジャンプ」掲載作品で時おり描かれる感動シーンといえば、血のつながりを超えた絆。血縁関係がないにも関わらず、愛情を一身に注ぐ姿は涙腺崩壊必至です。義理の親子や義兄弟、師弟たちによる“血のつながりを超えた絆”を、印象的な名セリフ・名シーンとあわせて4作品選んでご紹介します。

「自分の命」より「家族であること」を選択した育ての母

 マンガ・アニメ作品でたびたび描かれる、義理の親子や兄弟など血縁関係がないキャラクターたち。血がつながっていないにも関わらず、一身に愛情を注ぐシーンや、アツい絆に感動した経験のある読者の方は少なくないと思います。

 この記事では、「週刊少年ジャンプ」掲載作品から“血のつながりを超えた絆”を、印象的な名セリフ・名シーンとあわせて4作品選んでご紹介します。

●『ONE PIECE』

著:尾田栄一郎『ONE PIECE』第9巻(集英社)
著:尾田栄一郎『ONE PIECE』第9巻(集英社)

 大ヒット作品『ONE PIECE』に登場する“血のつながりを超えた絆”といえば、ルフィとエース、サボの3兄弟が思い浮かぶ読者は多いと思います。しかし、ここで紹介したいのはベルメールとナミ、ノジコの義理の親子です。

 麦わら海賊団の航海師・ナミを語るには欠かせない存在のベルメールは、コミックス第8巻から第11巻で描かれたココヤシ村でのエピソードに登場しました。

 もともと海兵だったベルメールは戦場で死にかけていたところ、赤ん坊だったナミを抱えたノジコのふたりと初めて出会います。地獄のような戦場でも明るく笑うナミを見て、ベルメールはもう1度、命を奮い起こすことに。義理の姉妹・ナミとノジコの母親として生きていくことを決心しました。

 数年が経ち、ベルメールは故郷・ココヤシ村でみかん農家として慎ましく生活しながらも、ナミとノジコはすくすくと育ちました。そんなある日、ナミはノジコが着ていたお下がりの洋服をもらうことが嫌でけんかをはじめます。「あんたは妹だから私のがいくだけなの」というノジコに「でも本当の妹じゃないじゃない!」と言い返したナミをベルメールは平手打ち。ナミは「ベルメールさんだってホントのお母さんじゃないじゃない!」「どうせ拾われるならもっとお金持ちの家がよかった!」とナミは家を飛び出してしまいます。

 ノジコがナミを迎えに行っているあいだにベルメールはごちそうを用意。しかし、その同時刻、海賊・アーロンが村を占拠しはじめ、お金の取り立てを行なっていました。村のはずれに住んでいたベルメールのもとにも一味がやってきますが、大人ひとり10万ベリー、子供ひとり5万ベリーの“家族分”を支払うお金はありません。

 全財産の10万ベリーを渡し、引き返していくアーロン一味でしたが「誰が私の分だって言った?」と引き止めるベルメール。「その10万は2人の娘の分!」「血のつながりはないけどさ、家族なんだ」と笑うベルメールのもとに、隠れていたナミとノジコが泣きながら現れます。ふたりの目の前で、ベルメールはアーロンに殺されてしまいます。

 死の間際にベルメールが「ノジコ! ナミ! 大好き!」と言い残した最期のシーンは涙腺崩壊必至。死の選択を迫られても家族の存在を優先したこのシーンは、まさに血縁を超えた家族の形ではないでしょうか。

師弟の関係を超えた絆! 父親代理を頼んだ“神回”

●『NARUTO』

著:岸本斉史『NARUTO』第16巻(集英社)
著:岸本斉史『NARUTO』第16巻(集英社)

 続いては、忍者マンガの名作『NARUTO』に登場する主人公・ナルトとアカデミー時代の担任教師・イルカとの師弟愛です。

 アカデミー時代、誰にも認められず孤独な日々を過ごしていたナルトを初めて認めてくれた人がイルカです。そのときの言葉が常にナルトを支えてきました。イルカは自身も早くに両親を亡くしていた境遇から、いつもナルトを気にかけて大好物のラーメンをおごるなど父親のように接してきたのです。

 そんなふたりの“神回”とも言えるエピソードがアニメ第720話「祝いの言葉」です。物語冒頭で、日向ヒナタと結婚することになったナルトは「俺の父親として結婚式に出席してもらえねえかな……」とイルカに頼み「任せておけ!」と約束。この教え子と恩師の関係を超えた、冒頭シーンだけでも泣けてしまいます。

 ビデオメッセージでは「ナルト、ヒナタ、結婚おめでとう。ヒナタ、ドジでおっちょこちょいで向こう見ずなナルトにはお前の支えが必要だ。どうかよろしく頼む。ナルト、お前には多くは言わん。絶対ヒナタを幸せにしろ!」 と、ナルトへの思いを語っていました。

 ナルトには自来也、カカシといった恩師がいますが、このエピソードでのイルカとナルトの関係性は本物の親子のようで、多くの視聴者に感動を届けました。

●『銀魂』

210717_TINOTUNAGARI_03 著:空知英秋『銀魂』第46巻(集英社)
210717_TINOTUNAGARI_03 著:空知英秋『銀魂』第46巻(集英社)

 アニメ映画『銀魂 THE FINAL』が2021年1月に公開された『銀魂』。アニメ第264話「酒とガソリンと笑顔と涙」で描かれたのは、“オビワン”こと尾美一(おび・はじめ)と新八による血のつながりを超えた兄弟のような関係です。

 オビワンは、志村家の元・道場塾頭で、幼い頃の新八が「はじめ兄」と兄のように慕い尊敬していましたが、長らく消息不明になっていました。

 しかし、突如、志村家の道場に戻ってきたオビワンは、毘夷夢(びいむ)星人の手により戦争をひき起こすために改造された半身からくり人間となっていたのです。次第に人格が乗っ取られ、かつての優しい“はじめ兄”にはもう会えないという事実を突き付けられた新八は、自ら決着をつけるため、毘夷夢星人に人格が支配されたオビワンのもとへ。

 オビワンと新八による地球の存亡がかかった“一本勝負”の行方は、新八の真剣な姿に触発されたオビワンが「来い! 新坊?!」と“はじめ兄”の人格を取り戻し、わざと勝利を譲ったことで新八の一本勝ち。オビワンは再び人格を乗っ取られる前に、自らに内蔵されたビーム砲で毘夷夢星人をやっつけ、最期を遂げました。

 感動的な神回が多い同作において、新八とオビワンによる“本物の兄弟”のような絆を見せたこのエピソードも、神回のひとつに数えてもいいのではないでしょうか。

●『Dr.STONE』

原作:稲垣理一郎・Boichi、ストーリー・マンガ:Boichi『Dr.STONE reboot:百夜』(集英社)
原作:稲垣理一郎・Boichi、ストーリー・マンガ:Boichi『Dr.STONE reboot:百夜』(集英社)

 2017年より連載されている『Dr.STONE』。全人類が、謎の現象により一瞬で石化して約3700年後の地球で、超人的な頭脳を持つ高校生・石神千空(いしがみ・せんくう)が科学の力で世界を取り戻そうとする様子を描いています。

 さて、その石化現象から逃れた人間が複数人いました。謎の現象の発生時、国際宇宙ステーションにいた千空の父親・石神百夜(いしがみ・びゃくや)など宇宙飛行士6名です。

 百夜は自分の自動車を売却して、科学に夢中になっている千空のために科学道具を買いそろえるなど、千空が幼い頃から科学の道へ進むことをさまざまな形でサポートし続けてきた良き父親です。百夜は「石化したって死なねー奴だ」と息子を信じ、“ストーンワールド”となった地球へ帰還し、千空へのメッセージを記録したレコードなど、未来への贈り物を残すシーンが描かれました。

 そのようなアツい絆が描かれる親子でしたが、アニメ第17話で「血はつながってねーが俺の息子だ。俺なんかより100億倍大物だぜ」と、血縁関係がないことが明かされる、衝撃発言が飛び出しました。

 過保護とも言える深い愛情や、見た目もどこか雰囲気が似ていたことから、本物の親子かと思っていた方も少なくないはず。親子に血のつながりは関係ないのだと、改めて感じさせられたシーンでした。

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 以上、「週刊少年ジャンプ」掲載作品から4作品選んでご紹介しましたが、皆さんの心に残っている“血のつながりを超えた絆”は何ですか?

(中島憲太郎)

【画像】「ジャンプ」血のつながりのない家族たち

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