人気マンガ・本編以外で貼られている伏線4種 表紙、扉絵にも重要な情報が! | マグミクス

マグミクス | manga * anime * game

人気マンガ・本編以外で貼られている伏線4種 表紙、扉絵にも重要な情報が!

マンガの重要なポイントのひとつ「伏線」。ストーリー中に散りばめられているのはもちろんですが、ストーリー以外の表紙やタイトルにも伏線は隠されています。この記事ではマンガ本編以外で伏線が描かれた代表的な作品を紹介します。

表紙・扉絵・作者コメントに隠された伏線

実際には“なかった”シーンが表紙に描かれたケースが多い 『進撃の巨人』第7巻(著:諫山創/講談社)

 マンガを読む上で楽しませてくれる要素のひとつ「伏線」。伏線の描かれ方ひとつで名作にもなり得ますし、読者にとっても伏線考察はワクワクさせてくれます。実はそんな伏線が隠されているのはストーリーのなかだけではありません。この記事ではストーリー以外で伏線が描かれた代表的な作品を紹介していきます。

●『HUNTER×HUNTER』表紙に描かれた伏線

 ひとつ目に紹介するのが単行本の「表紙」に描かれた伏線です。表紙のなかにその巻で起こる出来事を暗示する絵を描いている作品は数多くありますが、そのなかでも秀逸と言えるのが『HUNTER×HUNTER』で描かれたファンの間では有名な表紙の伏線です。それは、ハンター協会の最高幹部「十二支ん」のメンバーたちが後ろ向きで描かれた単行本30巻の表紙です。一見何気ない集合絵のようにも見えますが、後で振り返ってみると実は裏切り者を表した表紙になっていることが分かります。この単行本は2012年に発売され、2014年の「週刊少年ジャンプ」で2年以上の歳月を経て伏線回収されました。

 その他、『約束のネバーランド』の表紙に描かれている3本線の意味など、単行本の表紙は重要な伏線考察要素のひとつと言えるでしょう。

●『ONE PIECE』扉絵に描かれた伏線

 続いて取り上げたいのがストーリーの始めに描かれる「扉絵」の伏線です。扉絵に伏線が描かれている代表的な作品といえば『ONE PIECE』があげられます。『ONE PIECE』の扉絵には数多くの伏線が描かれてきましたが、今回紹介するのはロジャー海賊団と光月おでんの関係性を表した扉絵です。これは、単行本59巻に収録されている扉絵で、ロジャー海賊団の見習い船員だったシャンクスとバギーがおでんを食べている様子を描いたモノ。光月おでんは単行本95巻第958話で初登場し、ロジャー海賊団の船に乗っていたことが明らかになったため実に27巻前からおでんの存在を示唆しており、伏線が張られていたことになります。

『ONE PIECE』の扉絵はファンの間では注目されるポイントのひとつですが、他の作品でも注目してみてみると新たな発見があるかもしれません。

●『BLEACH』表紙袖の作者コメントに書かれた伏線

 単行本カバーの折り返し部分「表紙袖」には作者がコメントを残していることが多いですが、そこにも伏線は張り巡らされています。その代表的な作品が『BLEACH』です。『BLEACH』の表紙袖には、作者・久保帯人先生が自ら考えたポエムが掲載されています。そのポエムの内容がストーリーとリンクしていることも多々あり、なかにはネタバレ寸前のものまで。

「君が明日 蛇となり 人を喰らい 始めるとして 人を喰らった その口で 僕を愛すと 咆えたとして 僕は果たして 今日と同じに 君を愛すと 言えるだろうか」

 このポエムは単行本47巻で巻頭に書かれたもので、最愛の松本乱菊との関係性までも絶ち、愛染の懐に入り倒そうとした市丸ギンの心情を現した内容となっています。全74巻全てにこのポエムが書かれているので一度読んでみてください。

●『進撃の巨人』サブタイトルに隠された伏線

 最後に紹介するのが、サブタイトルの伏線です。サブタイトルは1話ごとについているエピソードタイトルのことで、その話で描かれるストーリーと関連付けられることが多くなっています。サブタイトルに伏線が隠された代表的な作品といえば『進撃の巨人』があげられます。なかでも特別こだわり抜いてつけられているであろうサブタイトルが第1話の「二千年後の君へ」。第1巻を読んだだけでは全く意味の分からないタイトルですが、単行本30巻第122話でその意味が明らかになります。

 今回紹介してきたものは作者自らが伏線と公言しているわけではありませんが、ファンの間で考察され盛り上がっているものばかりです。マンガを読むにあたってこういったサブタイトルや扉絵に注目して読んでみるのも面白いかもしれません。

(井上椋太)