『星のカービィ3』人によって印象が違う理由とは?「可愛い」&「シリーズ屈指のグロ演出」
スーファミ時代の「カービィ」ソフトといえば『スーパーデラックス』……だけではありません。むしろ本道を貫いた『星のカービィ3』という傑作があるのです。しかも、「かわいい」のに「怖い」という不思議を成立させた傑作ゲームなのです。
むしろ「カービィ」の本道を突き進んだのが『3』なのだが…

世界に誇るピンクのまんまる、『星のカービィ』。1992年にゲームボーイ用ソフトとして発売され、30周年となる2022年3月には初の3DアクションであるNintendo Switch『星のカービィ ディスカバリー』が発売されました。機体を乗り換えながら、時代を超えて愛され続けてきたのです。
さてスーパーファミコン時代に目を向ければ『星のカービィ スーパーデラックス』(以下、スパデラ)を思い出す人も多いでしょう。110万本を売り上げた大ヒット作であり、スーファミを代表するアクションゲームであることは間違いありません。
それゆえに、あの名作ソフトが陰に隠れてしまっている印象があります。そう1998年に発売された『星のカービィ3』です。「スーファミのカービィ」=『スパデラ』と評価になりがちな今こそ、改めて『3』の魅力をポイントごとに振り返りましょう。
●「かわいい」にもほどがある! 癒やしの鉛筆画タッチ
1996年に発売された『スパデラ』は全体的にメカニックなステージも多く殺気ただよう背景とかわいいカービィとの組み合わせが見事でしたが、シリーズにおいてはむしろ「異端」でした。カービィの牧歌的で穏やかな雰囲気を踏まえた、シリーズの本道を進んだのが『3』です。すでにNINTENDO64発売から2年が経過した1998年にスーパーファミコン用ソフトとしてリリースされた本作はその気概を感じます。
色鉛筆で描いたようなグラフィックはまさにカービィの「かわいらしさ」が前面に押し出されており、かわいさに動悸がするほど。リック、カイン、クーとおなじみの仲間に加え、何だか様子のおかしいグーイ(初登場は『2』)に、カービィの扱いがぞんざいな猫・ナゴ、ガールフレンド的立ち位置のチュチュ(メンダコ説が有力)、小鳥のピッチも、もれなく「激かわ」です。
敵も味方も基本的にプニプニしており、かわいいやつらがかわいい場所をかわいいやつを倒して進む……癒やし効果間違いなしのゲームなのです。とはいえ、それゆえに後述の「衝撃」が待ち受けるわけですが……。