『サザエさん』の声優陣で現在の最長は? 「運命的なものすら感じる」
長寿アニメ『サザエさん』は、レギュラー陣の声優さんが交代することも珍しくありません。さて2023年現在、最長キャリアの声優さんはどなたなのでしょうか?
50年以上3歳役を演じた貴家堂子さん
アニメ『サザエさん』(原作:長谷川町子)で、タラちゃん役を務めていた貴家堂子さんが2023年2月5日に逝去されました。貴家さんは1969年の『サザエさん』放送開始から、実に50年以上にわたり、3歳のフグ田タラオ役を演じていたのです。改めて、その功績に敬意を表したいと思います。
さて、『サザエさん』は「最も長く放映されているTVアニメ番組」として、ギネス記録にも認定されている「超長寿アニメ」です。放送年数が長くなるにつれ、各キャラクターの声優さんが、交代することもしばしばありました。
これまで、多くの声優さんが長期レギュラーを務めてきた『サザエさん』で、なかでも長きにわたり同一キャラクターを演じた声優さんの期間を振り返りましょう。
例えば永井一郎さんは放送開始から急逝する2014年まで、波平役を約45年演じていました。また、フネ役を演じていた麻生美代子さんは、放送開始から2015年までの46年間、増岡弘さんは1978年から2019年にかけて、実に41年にもわたりマスオ役(2代目)を演じています。
磯野家だけではありません。例えばカツオの親友である中島の声を担当していた白川澄子さんも、中島初登場時から亡くなる2015年まで45年近く、同役を演じています。また、担当開始時期が判然としないまでも花沢さん(2代目)を演じている山本圭子さんも、一時休養もありましたが、花沢さんの声をずっと担当してきました。
50年以上続く『サザエさん』で、放送開始から現在にいたるまで同じ役を務めること自体、奇跡のように思えます。そして今、貴家堂子さん逝去に伴い、初回からのレギュラー陣でご健在な声優さんは、ただひとりとなってしまいました。その方が主人公・サザエ役の加藤みどりさんであることは、何か運命を感じてしまいます。
(片野)