昭和特撮のあるある「勘違い」 「スペシウム光線の構え方」「V3は3作目」
ウルトラセブンはなぜセブン?

●「ウルトラ兄弟は全員実の兄弟」の勘違い
ウルトラの父がいて、ウルトラの母がいて、そしてウルトラ兄弟と呼ばれる戦士たちがいたら、みんな「実の兄弟」だと思いがちですが、それは勘違い。「兄弟」の名は、ウルトラの父のもと「銀河の平和を守る」という志を同じくした、同志的な意味合いでのくくりで使われています。「お笑いを追求する阿佐ヶ谷姉妹」「美を追究する叶姉妹」のようなことでしょうか。
特にくくられることの多い「ウルトラ6兄弟」は、ゾフィー、ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンジャック(帰ってきたウルトラマン)、ウルトラマンエース、ウルトラマンタロウです。
●「ウルトラセブンは7作目」「V3は3作目」の勘違い
「ウルトラセブン」を「ウルトラマンセブン」だと思い込んでいた、というのはもはや古典的勘違いですが(TVテロップでも時々見かけます)、「セブン」と名が付いているので7作目だと思っていたという人もいるようです。『ウルトラセブン』は、『ウルトラマン』に続いて制作された、初期の作品でした。ではなぜセブンなのかというと「6人のウルトラ警備隊と協力して戦う、7番目の仲間」という意味なのだそうです。
数字に関する勘違いは、仮面ライダーシリーズにもありました。ネット上には「仮面ライダーV3は3作目だと思っていた」「仮面ライダー2号という番組があったと思っていた」などの声がありましたが、『仮面ライダーV3』はシリーズの2作目で、仮面ライダー2号は第1作目の『仮面ライダー』に途中から登場したキャラクターなのです。数字ってややこしいですね。
●「死神博士は柳生博」の勘違い
仮面ライダーシリーズの大人気悪役・死神博士は、天本英世さんが演じていましたが、なぜか「演じているのは柳生博さんだと思っていた」という勘違いもありました。確かに、顔の形も髪型も似ているかもしれません……。特に子供の目には、見分けがつかなかったのでしょう。
柳生さんが死神博士だと思っていた人は、死神博士がクイズの司会をしたり、学園ドラマに出たりしていたと思っていたのでしょうか。なんだか微笑ましい死神博士です。
●「デンジマンの巨大ロボ・ダイデンジンの胸の文字はエコ」の勘違い
スーパー戦隊シリーズの勘違いといえば、圧倒的に多いのが『電子戦隊デンジマン』に登場する巨大ロボ・ダイデンジンの胸文字です。おそらくほとんどの子供がカタカナの「エコ」と読んでいたことでしょうが、正しくは頭文字であるアルファベットの「D」。これは変形するロボだからかと思ったのですが、実はデンジマンたちの胸のマークも「エコ」に見えるので、うっかりデザインだったのかもしれません。
特撮ドラマはさまざまな勘違いを生んでいますが、なかには「大人でも特撮好きな人がいること知らなくて、恥ずかしいから小学校卒業と同時に特撮も一回卒業しちゃった」というような声もありました。これはちょっと寂しい勘違いです。大人になっても特撮好きはたくさんいますから、卒業なんかしないでずっと特撮を愛していきたいですね。
(古屋啓子)



