昭和特撮のあるある「勘違い」 「スペシウム光線の構え方」「V3は3作目」
子供の頃に夢中になった特撮ヒーロードラマには、今思うと「勘違い」していたことも多いようです。ネット上にもさまざまな「実は勘違いしていた部分」に関する声があがっています。今回はそんな、「特撮のあるある勘違い」をご紹介します。
勘違いしてもしょうがない?

特撮ヒーロードラマは、いつの時代も子供たちを夢中にさせますが、大人になるとその設定などで「意外な勘違い」をしていたことに気付く人が多いようです。ネット上にも「実はこんな勘違いをしていた」という、さまざまな声があがっています。もしかしたら、あなたも勘違いしていないでしょうか?
●「初代ウルトラマンから活動制限時間は3分」の勘違い
「ウルトラマンの地球での活動時間はわずか3分」というのは、特撮ファンならずとも多くの人がなんとなく知っているお約束です。歴代ウルトラ戦士たちは、タイムリミットが近付いてくると、胸の「カラータイマー」が青から赤に変わって点滅を始めます。同時に鳴る「ピコン、ピコン」のアラート音は、切迫感をこれでもかと煽りました。
ただ、よくある勘違いが、「初代ウルトラマンから制限時間は3分だった」というものです。実は、初代『ウルトラマン』が放送された時期には、まだ明確に「3分」という数字は設定されていませんでした。
一例を挙げると、『ウルトラマン』放送直前当時の「週刊テレビガイド」1966年6月24日号では番組の設定に関して「ウルトラマンの胸に赤ランプがつくと、彼の超能力もあと30秒で消滅するのだ!」という説明があり、カラータイマーの色が変わると危険信号というのは同じなものの、3分という数字は書いてありません。また、当時のTBSの宣伝資料「ウルトラマンあらすじ集」には、「最初は青色で三分間、途中黄色に変わったときが注意信号で、赤色になるとあと三十秒ですべての力を失う危険信号になっている」と説明があったようで、この言葉通りだと活動可能時間は3分を超えています。
肝心の本編でも「短い時間しか戦えない」ことは語られつつも、特に「制限時間3分」の説明はなかったのですが、放送当時から、「ウルトラマンが活動できる時間は3分」と認識している人は多かったようです。その原因には、円谷プロにも出入りしていたSF研究家の編集者・大伴昌司さんが、『ウルトラマン』放送開始1週間前の、7月10日発売「週刊少年マガジン27号」にて、「ウルトラマン3分間の決戦」という、ウルトラマンがネロンガを倒すまでの3分間の時間経過を描いた図解を企画して載せたことが関係していました(著:大野茂「サンデーとマガジン 創刊と死闘の15年」参照)。
この設定がひとり歩きしたからか、のちに『帰ってきたウルトラマン』第1話にて、正式に「ウルトラマンのエネルギーは地球上では3分間しか持たない」とナレーションが入っています。というわけで、公式に「制限時間3分」になったのは『帰ってきたウルトラマン』から、となりますが、これはもう勘違いしてもしかたがないかもしれません。
●「スペシウム光線のポーズは腕をL字に構える」の勘違い
ウルトラマンの必殺技といえば「スペシウム光線」です。ポーズをとるように言われたら、誰もが右腕を垂直に、左腕を水平に組み合わせるでしょうが……ここで、「L字」に組んでしまったら、それは勘違いです。
スペシウム光線を出すポーズは、右腕と左腕を手首でクロスさせるのが正しい構え。右手の方ににマイナス、左手にプラスのエネルギーを集積させて、両手を交差することでスパークさせて放つ技なので、クロスしないと何も出てきません。右胸の前で構え、左手は敵側から見て手前にクロスさせるのもポイント。左手の指先を右手の肘につけるL字ポーズは、ウルトラセブン最大の必殺技「ワイドショット」です。