最新作『ゼロワン』でついに社長へ! 歴代仮面ライダーの「就職率」低かった理由
先日仮面ライダーシリーズの最新作『仮面ライダーゼロワン』の制作発表記者会見が行われました。令和初となる仮面ライダーがどのような進化を遂げそうか、解禁された情報と過去作品との違いを元に紐解いてみましょう。
多忙な「社長業」と「仮面ライダー」どう両立?
2019年9月1日(日)から放送が開始される『仮面ライダーゼロワン』。先日7月17日に制作発表記者会見が行われ、主演の高橋文哉さん、岡田龍太郎さん、鶴嶋乃愛さん、井桁弘恵さんら主要キャストが発表されました。元号が平成から令和に変わって初の仮面ライダー作品となる本作のテーマは「AI」です。
主人公・飛電或人は、祖父の遺言でAI企業「飛電インテリジェンス」の2代目社長に急きょ指名されます。しかしサイバーテロリスト「滅亡迅雷.net」のハッキングにより、飛電インテリジェンスが開発する人型AIロボット“ヒューマギア”の暴走事件が発生。或人は社長だけが手にできる“ゼロワンドライバー”を使って仮面ライダーゼロワンに変身し、AI技術をめぐる戦いへ身を投じて行きます。
昆虫のバッタがデザインモチーフに選ばれた仮面ライダーゼロワン。主人公ライダーのモチーフに昆虫が単体で選ばれたのは、『仮面ライダーカブト』(2006~2007)以来13年ぶりとなります。シリーズ第1作目である『仮面ライダー』(1971~1972)と同じバッタがモチーフであり、仮面ライダー1号のようなシンプルな造形はシリーズの原典回帰を思わせます。
飛電或人は大企業の社長にして仮面ライダーという『バットマン』や『アイアンマン』を思わせる設定です。社長や企業といった要素の導入は『下町ロケット』や『陸王』といった人気ドラマを意識したものかもしれません。しかしこれまで仮面ライダーたちは、その大半が職に就いていないか学生でした。これは怪人が現れた際に、主人公の仮面ライダーがすぐ対応できるようにという作劇上の問題からです。
職に就いているライダーたちは『仮面ライダー剣』(2004~2005)や『仮面ライダー響鬼』(2005~2006)のように職業そのものが“仮面ライダー”の者、もしくは『仮面ライダーW』(2009~2010)『仮面ライダードライブ』(2014~2015)のように私立探偵や刑事といった事件=怪人を追える仕事など、物語の展開上無理のない職業を選択しています。
『ゼロワン』に登場する内閣官房直属の対人工知能特務機関「A.I.M.S.」の隊長である不破諫/仮面ライダーバルカン、技術顧問の刃唯阿/仮面ライダーバルキリーは上記のような職業ライダーと言えるでしょう。
大企業の社長ともなれば、或人は多忙なはずなので、仮面ライダーとしてフレキシブルな対応ができるのかが気になります。まして怪人たちがアフター5まで破壊活動を待ってくれる訳がありません。“仮面ライダー”と“社長”という組み合わせが、物語にどのような作用をもたらすのかは、大きな注目ポイントではないでしょうか。
昭和と平成のふたつの時代を経た仮面ライダーシリーズが、令和でどのような進化を見せてくれるのか。9月1日の放送開始が待ちきれません。
(森谷秀)