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【ボードゲーム人生相談】キャリアと子育て…人生の岐路に迷っています(33歳女性)

山形県の古刹で住職を務め、ボードゲームジャーナリストとしても活動する小野卓也さんが、相談者の「お悩み」に答えます。今回は人生の岐路に迷っている女性からの相談です。最後はおすすめのボードゲームで気持ちも前向きに!?

「誤ったジレンマ」に気をつけて

 山形県の禅寺の住職であり、ボードゲームジャーナリストでもある小野卓也さんが、さまざまな「お悩み」の相談に答えます。今回のお悩みは…

人生の岐路に立つ女性のイメージ (C)ra2studio/123RF
人生の岐路に立つ女性のイメージ (C)ra2studio/123RF

「人生の岐路に迷っています」(神奈川県・33歳女性・フリーランス)

 半年後に結婚を控えています。クリエイティブの仕事でキャリアを築きたいという夢と、子どもを生んで子育てをしたいという2つの夢があり、年齢的に、どちらかを選ぶともう片方の実現が難しくなりそうで、選択ができないでいます。どうすれば決断ができるでしょうか?(神奈川県・33歳女性・フリーランス)

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 うーん、なかなか悩ましい問題ですね。現代においては男女問わず普遍的な問題といってもよく、しかも結婚にとどまらず、出産、第二子出産……というようにその都度その都度考え直さなければならなくなる継続的な問題でもあります。

 それだけ多くの人が直面する問題ですから、実際にどのようにして切り抜けてきたか、同業者や友人など周囲の方に聞いてみるのは、ひとつの参考になると思います。

 そのなかで気づくのは、「仕事か家庭か」というのは必ずしも二者択一ではないということです。夫や親の協力、0歳児保育、ベビーシッターや家事代行サービスなどを駆使して、何とか両立させようとしている方も多いのではないでしょうか。

「ジレンマ」とは、2つの選択肢があって板挟みになり、どちらを選んでも問題があって決められない状態をいいます。しかしよくよく考えると、実際にはもっと多くの選択肢がある、というケースが少なくありません。それなのに、両極端な選択肢を挙げて窮地に陥らせるものを、論証学で「誤った二分法」「誤ったジレンマ」といい、特に他人から迫られた場合は注意が必要です。

 例えば「スポーツの国際試合で日本と対戦する国を応援する人は、非国民だ」という人がいたとしましょう。日本チームを応援したくなくても応援する人が日本人、応援しない人は「非国民」という二者択一を迫っているわけですが、日本も相手の国も同じくらい好きな日本人や、相手チームが好きな日本人がいてもよいわけです。「みんなちがって、みんないい(金子みすゞ)」、変な同調圧力には敏感になりましょう。

【画像】「人生の分かれ道」で悩む人におすすめのボードゲームとは?

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