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時代の先を行きすぎた?「ジャンボーグ9」登場から半世紀 その存在が先駆的だった理由

番組途中で新たなヒーローとして現れてから50年が経過した「ジャンボーグ9」は、左右非対称のカラーリングが特徴的なヒーローです。今では定番となった「2号ロボ」の元祖と言われる背景をひも解きます。

衝撃的なデビューを果たしたジャンボーグ9

ジャンボーグ9を立体化した、「Evolution ToyHAF ジャンボーグ9」(エヴォリューション・トイ)
ジャンボーグ9を立体化した、「Evolution ToyHAF ジャンボーグ9」(エヴォリューション・トイ)

 本日7月18日は、1973年に『ジャンボーグA』第27話「ジャンボーグA-2号誕生! その名はJ-9」が放送された日。今年で半世紀となります。このエピソードから登場した新たなヒーロー「ジャンボーグ9」は、それまでにいなかった画期的な背景を持ったヒーローでした。

 ジャンボーグ9が初登場する第27話は、同時にそれまでの主役ヒーローだったジャンボーグAが敵に敗れ去るという、衝撃的な展開から始まります。

 このジャンボーグAを倒した強敵こそが「ジャンキラー」。それまでの怪獣タイプの敵ではなく、ジャンボーグと同じくスマートなロボット型のデザインでした。実はこのジャンキラーは、もともとAから9までの間に開発されたジャンボーグという設定でデザインされ、それを悪役として流用したと言われています。いわば兄弟の関係に近しい存在と言えるかもしれません。

 その名前も「ジャンボーグ・キラー」の略称なのでしょう。そういう点からも他の敵怪獣と異なる因縁深い強敵、ライバル的な存在だったと言えるかもしれません。後にジャンキラーjr.という後継機も登場しています。作品中のゲスト怪獣で代表的な一体でしょう。

 この強敵・ジャンキラーに敗れたジャンボーグAに代わって現れ、打ち破った新ヒーローがジャンボーグ9でした。普段はジャンカーZ(使用車はホンダZ)という軽自動車で、搭乗者の立花ナオキの「ジャン・ファイト・ツー・ダッシュ!」の掛け声でジャンボーグ9に変身します。

 左右非対称に塗り分けられた紅白のボディは変身前のジャンカーから引き継いだもので、ジャンボーグ9の特徴的なデザインのひとつでした。ヒーローと言えば左右対称が基本でしたから、左右非対称のカラーリングのジャンボーグ9はそれだけでも他のヒーローより目立つ存在だったというわけです。

 そしてジャンボーグAとの大きな違いに「操縦方法」がありました。コクピット内でナオキの動きをトレースするジャンボーグAと違い、ジャンボーグ9は自動車のようにハンドルで動かす形になっています。このハンドル操作で動かす方式は他番組を見てもそれほど多くなく、これもジャンボーグ9の個性のひとつになりました。

 こうして二大ヒーローが活躍することになった本作ですが、Aと9のふたりのヒーローを並び立たせたことが特筆する点です。本来ならば後発のヒーローの方が強いとなるのが普通ですが、Aと9はそれぞれの個性を出すことで両雄を並び立たせました。

 ジャンボーグAと違って空を飛ばない代わりにパワーが高いジャンボーグ9。互いの長所と短所を描き分けることで、番組は2大ヒーロー制を維持していきます。惜しむらくは搭乗者はナオキひとりということで、Aと9の共闘は描かれなかったことでしょうか? もっともエメラルド星人が搭乗して一度だけ夢の共闘は見られました。

【画像】どっちが好きだった? ジャンボーグAとジャンボーグ9のデザインを比較(5枚)

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