未来を予言してた? 『仮面ライダーBLACK』の敵・ゴルゴムの先見の明がスゴい!
1987年から放送が開始された『仮面ライダーBLACK』は、洗練されたビジュアルや迫力あるアクションで、多くの子供たちを魅了しました。しかし、その面白さは各エピソードの切れ味の鋭さにもありました。なかには、未来の日本の姿を予言していたと思わせるようなものも多くあります。
30年以上前から時代を先取りしていた敵組織
手塚治虫作品や『AKIRA』など、名作には未来の世界を予言していたと思われるようなエピソードが多くあります。今回は1987年から放送された『仮面ライダーBLACK』、その後の1988年に放送された『仮面ライダーBLACK RX』から、現在の日本の姿を言い当てていたのではと思わせるようなエピソードを紹介します。
●ゴルゴムが政界進出!?
『仮面ライダーBLACK』第38話「謎!?EP党少年隊」では、敵組織のゴルゴムがなんと政治の世界から日本を手中に収めようとする作戦を決行します。ゴルゴムはまず、構成員の政治家に「地球の平和を願う党」、略して「EP党」を結成させると、素粒子治療装置という特殊な機器を使って難病患者の治療をしたり、子供たちに党の青少年部としてボランティア活動をさせたりして、どんどんと支持者を増やします。ちなみに政党のモットーは「人類の平和と幸せのために地球上からあらゆる戦争と貧困と病気をなくすこと」と、かなり立派です。
ゴルゴムは、この表向きはキレイな活動によって日本の政権を取ったのちに、自分たちの正体を明かし、堂々とゴルゴム帝国を築くという思惑だったのです。これを考えたのは、ゴルゴムの大幹部・シャドームーンでした。悪の組織とは思えないほどクレバーな作戦です。
最後は、仮面ライダーBLACKと、ゴルゴムに騙されることのなかった少年たちの協力によって、その陰謀は阻止されますが……いま現在、政治と宗教の癒着などが大きな問題となっている日本の姿に重なる部分は多そうです。
●怪人がマグロでパワーアップ!?
『仮面ライダーBLACK』第14話「マグロが消えた日」では、ゴルゴムが漁業倉庫を襲い、大量のマグロを盗んだせいで、市場からマグロから消えてしまう事態が発生します。これは、ゴルゴムに協力する悪の科学者・黒松教授が怪人をパワーアップさせるタウリンエキスを開発し、その材料にマグロの脳神経細胞から抽出した生体酵素が必要だからということでした。
結局、パワーアップした怪人でも仮面ライダーBLACKには敵わず、無事にまた世間の食卓にはマグロが戻るのですが……近年の日本でも、乱獲やグルメブームによる先進国のマグロ消費などによって、マグロ数の減少が叫ばれており、このままでは「マグロが消えた日」が現実になる日が来るかもしれません。