恋人が殺し合う悲劇も…どう転んでも後味の悪い「ガンダム」シリーズに見る同士討ち
ほぼほぼ私怨で同士討ちする主人公って…

続いては、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』のコウ・ウラキがシーマ・ガラハウやその艦隊に行った同士討ちです。
「デラーズ紛争」において、コウにとってシーマは、乗機だったGP01を大破させられたり、上官であるサウス・バニングの戦死のきっかけを作られたりと因縁浅からぬ仲でした。
そして物語終盤、デラーズ・フリートによる地球へのコロニー落としが敢行されるなか、シーマは「故あれば寝返るのさ」のセリフそのままに、デラーズを射殺し地球連邦に寝返ります。
その後、地球連邦はコウの所属するアルビオン隊に、シーマ艦隊とともに大型支援兵器「ソーラ・システムII」の防衛を命じますが、アルビオン隊は命令を無視し、コロニー落としの阻止に向かいます。
共闘しなければいけないはずのコウとシ-マでしたが、GP03「デンドロビウム」のコウは、シーマ艦隊と接触すると戦闘に突入、シーマの旗艦である「リリー・マルレーン」をメガビーム砲一閃でぶち抜き、ムサイ級艦艇も沈めました。
帰る場所を失ったシーマは乗機「ガーベラ・テトラ」で抗戦しますが、「デンドロビウム」のメガビーム砲の砲身の先っちょに激突、そのままゼロ距離でビームを撃たれます。「ガーベラ・テトラ」は粉々になり、まさに宇宙(星)のくずとなってしまいました。
混戦であったため、「ガーベラ・テトラ」にシーマが搭乗していたことを知らなかったといわれるコウですが、この同士討ちでバニングの仇を討ったことになります。とはいえ物語の結末を知ると、困惑や悲哀を感じる同士討ちでありました。