『ワンピ』扉絵とサブタイの奇妙な一致に驚愕「そこまで考えてたの?」
『ONE PIECE』の魅力のひとつといえば、巧妙な伏線回収です。読み手を唸らせるストーリー展開は多々ありますが、扉絵とサブタイトルにも深い意味が隠されていそうな回もありました。そこで本記事では、意図が分かってファンを驚かせた「扉絵とサブタイトル」について振り返ります。
メリー号が迎えに来ることは早くから暗示されていた?
尾田栄一郎先生による国民的人気マンガ『ONE PIECE(ワンピース)』は、現在最終章に突入しています。25年以上も長期連載が続く同作は、作中に散りばめられた伏線の見事な回収も見どころです。
また、実はストーリー上だけでなく、扉絵やサブタイトルにも深い意味が隠されているものがありました。そこで今回は、扉絵とサブタイトルがシンクロしており、あとから「そういう意味だったの?」と読者を驚かせたケースを振り返ります。
※本記事では『ONE PIECE』106巻以降の内容を含みます。
第358話のサブタイトルは「復活」で、扉絵には大海原を征くメリー号が描かれています。
この回はフランキーの過去編となっており、海列車に轢かれたフランキーがサイボーグとなって生き延びていたというものでした。また古代兵器の設計図も登場し、ニコ・ロビンが兵器を復活させる危険性がある……といったふたつの意味合いから「復活」というサブタイトルがつけられたのかもしれません。
しかし実はそれだけでなく、この「復活」というサブタイトルは、扉絵に描かれたメリー号についても示唆していたのではないかと考えられます。
メリー号は同話の時点で船大工にもう走れないと言われており、すでにルフィたちは新しい船に乗ることを決めていました。新しい船に乗り換えたくなかったウソップでさえ、もうメリー号が走れない事実を受け入れていたのです。
ですが、この後コミックス39巻から46巻までの「エニエス・ロビー編」のなかで、ボロボロになって追い詰められた麦わらの一味を、もう走れないはずのメリー号が迎えに来るシーンがあります。メリー号に乗り込んだ麦わらの一味は海軍の包囲網を見事突破し、無事エニエス・ロビーからの脱出に成功していました。
海軍から逃れた後、最終的にメリー号は役目を終えたかのように大破しましたが、この358話の扉絵に描かれたメリー号と、「復活」のサブタイトルには、メリー号の最後の勇姿を示唆する意味がこめられていたのかもしれません。