「3分で蒸発」「特攻で爆散」過酷すぎた、昭和の特撮ヒーローたちが負った運命
昭和の特撮ヒーローといえば、皆さんは誰を思い浮かべますか? 昭和の特撮番組では今だとあまり見られなくなった悲劇的な散り方をしたヒーローも多く、強烈なインパクトを放っています。
ハッピーエンドばかりじゃない…昭和ヒーローが背負う過酷な運命
特撮と聞くと「子供向けでハッピーエンドが多め」「最後はなんだかんだ大団円」というイメージを抱いている人は、一定数存在します。しかし実際のヒーロー事情はバッドエンドなものも多く、特に昭和世代のファンは、そのイメージが強いのではないでしょうか。
例えば1972年から1973年に放送された『サンダーマスク』は、最終回の衝撃的なナレーションが、当時大きな話題となりました。『サンダーマスク』は東洋エージェンシー(現:創通)とひろみプロダクションによる共同製作作品で、地球侵略をもくろむ「魔王デカンダ」を止めるため、勇者「サンダーマスク」が戦うというものです。
最終決戦を前に、変身能力と視力に異常が出てしまったサンダーマスクは、仲間が準備したとある機械を借りることで、一時的に変身と視力を回復させます。しかしこの機械は、使用すると高圧電流を発生させるリスクがあり、変身者は3分経つと身体が蒸発してしまうという、大きなデメリットのあるアイテムでした。
最終的に、サンダーマスクは、敵である「鉄人13号」の槍で胸を貫かれたことで、高圧電流を発して消滅します。敵側も電流を浴びる形で相打ちになったものの、「サンダーマスクは空に輝く星になった」というナレーションは、多くの子供たちに衝撃を与えました。
同じく1972年から1973年に活躍した『快傑ライオン丸』も悲劇的なヒーローとして有名です。同作は戦国時代の「時代劇ヒーロー」という挑戦的な作風が当時話題になり、主人公「ライオン丸」の変身シーンをマネする子供が続出しました。特撮をよく知らない人でも、世代であれば一度は聞いたことがある名ではないでしょうか。
作中でライオン丸が立ち向かうのは、邪悪な妖術で日本制服をたくらむ「大魔王ゴースン」です。ゴースンは妖術を極めた先で、巨大な怪物に変化する術を習得していました。最終回でライオン丸は、その巨大すぎる力を前に、正攻法では勝てないことを悟ります。
そこでライオン丸はゴースンと相打ちになる覚悟を決め、彼の体内へ侵入します。ゴースンはライオン丸の持っていた刀で心臓を突き刺されたことにより、体内から爆散。ライオン丸もすぐに死を悟り、刀を構えて「さらば」と言い残すシーンは、ヒーローとしての生きざまを感じさせました。