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『ガンダム』シャアはどんな嘘をついてきた? 虚構にまみれたその人生を振り返る

アニメ『機動戦士ガンダム』から劇場版『逆襲のシャア』まで描かれた「シャア・アズナブル」の人生は、そのほぼすべてが嘘にまみれたものでした。そもそもが偽名でもあります。どんな嘘をついてきたのか、振り返ってみましょう。

嘘の中に生きる男、シャア

西洋絵画において「仮面」は「欺瞞」の象徴と読み解かれる。「GGG 機動戦士ガンダム シャア・アズナブル」(メガハウス) (C)創通・サンライズ
西洋絵画において「仮面」は「欺瞞」の象徴と読み解かれる。「GGG 機動戦士ガンダム シャア・アズナブル」(メガハウス) (C)創通・サンライズ

『機動戦士ガンダム』シリーズの主要キャラクターである「シャア・アズナブル」は、3つの偽名を持ちストーリーの要所要所で嘘をつくキャラクターとしても知られています。果たしてシャアは、どのような嘘をついてきたのでしょうか。

 シャアがついている最大の嘘といえば、「シャア」という名前そのものでしょう。スペースノイドを支える思想である「ジオニズム」の提唱者「ジオン・ズム・ダイクン」の息子、「キャスバル・レム・ダイクン」として生まれながらも、ザビ家による暗殺を避けるために「エドワウ・マス」を名乗ったのを皮切りに、復讐のために「シャア・アズナブル」を名乗った時、彼の、ほぼ真実を語ることが出来ない人生は始まってしまったのです。

 最初のアニメ『機動戦士ガンダム』でシャアがついた嘘といえば、仇たるザビ家の末っ子「ガルマ」絡みが非常に多くなっています。「これで勝てねば貴様は無能だ」「どうもお坊ちゃん育ちが身に染みこみすぎる 甘いな」など、当てこすりの台詞も多いのですが、第9話「跳べ! ガンダム」では通信機に細工を入れながら「しかし見事じゃないか ガルマ大佐の攻撃ぶりは」と遂に嘘をつき始めます。

 そして第10話「ガルマ散る」では、出撃の際に「勝利の栄光を、君に!」と心の底からの嘘をつき、主人公「アムロ」たちの母艦「ホワイトベース」を発見した際には、ガルマ率いる「ガウ」部隊が背面から攻撃を受ける位置へと誘導して、嘘まみれの友情にピリオドを打ったのでした。

 その後、シャアの出番は非常に少なくなり、再登場は第26話「復活のシャア」です。引き続きさまざまな局面で「ホワイトベース」や「ガンダム」と交戦しますが、追い詰めるには至りませんしそれほどの嘘もつきません。しかし最後の最後、劇場版『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』でアムロとの決闘の後に、重傷を負ったジオンの兵士から、これも仇のひとりである「キシリア・ザビ」が脱出しようとしていることを聞き出し「安心しろ 貴様に代わってキシリア殿は必ずお守りしてみせる」と伝えます。このやさしい嘘の結末は、おそらくみなさんご存じの通りかと思います。

【画像】「謀ったなシャア!」こちらが「嘘つきシャア被害者の会」の方々です(5枚)

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